高校3年生【受験生】の現代文学習法〈早期対策で効率的な勉強方法とは〉

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受験国語の対策

現代文は学習する上で時間がかかる教科です。

1ヶ月やそこらでは成績は上がりません。いま受験の1ヶ月前であれば、これからお伝えする方法はあまり意味がありません。

しかし3ヶ月以上前であれば、成績を上げることは可能です。

結論

さとう
さとう

一番は、本文が正しく読めるようになることです。なぜなら設問が「本文を正しく読めたかどうかを確認する」ために作られているからです。


当たり前のことかもしれませんが、受験は王道が勝ちます。

現代文は本文がまずはきちんと読めていないと話になりません。その後で「解くためのテクニック」を覚える必要があります。

この記事では、

  • 現代文の「正しい本文の読み方と勉強方法」
  • 解くために覚えなくてはならないテクニック

この2つについて解説していきます。

さとう
さとう

「現代文を伸ばしたい」と思っている受験生・中高生・保護者の方は、ぜひ最後までお付き合いください。

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本文の読み方(論理的文章と文学的文章)

論理的文章

これはいわゆる評論文(説明文)と言われる文章です。

筆者の主張があり、その主張を伝えるために書かれた文章を論理的に読み取っていくことが重要です。

本文は、3つの論理関係のルールを使って書かれています。

  • イコール関係
  • 因果関係
  • 対比関係

筆者は、言いたいこと(主張)を読んでいる人に間違えなく伝えるために上記の「関係」を使います。

赤赤赤赤赤赤赤と同じことを何度も繰り返したり、(イコール関係)

何度も赤と言われれば「筆者の主張は赤なんだな」とわかります。

白白白赤白白白とあえて逆のことを入れて目立たせたり、比較させたり(対比関係

「赤と白どちらが主張なのか」ということを意識していきます。たいていは対比(逆説)の「赤」が主張になりやすいです。

出来事①が起こったことにより結果①、出来事②より結果②となる、(因果関係)

因果関係がズレないように注意しなければなりません。

文章を読解していく中で、「これらの関係を発見していく」ことが大事です。

悩む女の子生徒
悩む女の子生徒

どうやって発見すればいいのかが、全くわかりません・・・

さとう
さとう

発見するためには、まず「論理記号」を覚えるといいですよ。

【3つの論理関係を見つけるためのポイント】

  • 接続語
    ➡つまり(イコール)、しかし(対比)、だから(因果)などを覚えます。
  • 指示語
    ➡指示語はイコール関係を表します。
  • 文と文のつながり
    ➡接続語が無くても、文の意味で「イコールや因果」が読み取れます。

これらを「意識的に」読んでいきます。慣れてくると読みながら「先の方の論理記号」が見えてきます。

基本的には「段落ごとの論理関係」を頭の中で整理していきます。

つねに頭の中で整理する=本文の流れをしっかり読む

これができれば、「設問=本文が読めたかどうかを確認するもの」 は解けます。

まとめると、

  • 本文を論理的に読むために、「イコール関係・因果関係・対比関係」に注目する。
  • 本文の構造を頭の中で整理しながら、意識的に読んでいく。
  • 特に意識することは、「接続語・指示語・文同士のつながり」である。

文学的文章

こちらはいわゆる「小説」「随筆(エッセイ)」です。

登場人物がいて、その「心情」を読み取っていくことが文学的文章読解の中心になります。

  • 本文の視点(誰目線で書いてあるか)を把握する。
  • 登場人物について、どんな性格でどんな人間か把握する。
  • 場面を把握する。(一つの場面で描かれているか、複数の場面があるのか)
  • 「場面ごと」の「その人物」の「心情」を把握する。【これがゴール】

【視点(誰目線か)の把握は、誤読の防止になる】

特に登場人物が多い場合は、「その場面が誰視点で描かれているのか」を意識しましょう。

実は、選択肢に「視点の間違い」というものがあります。わざと視点を違くして間違いの選択肢を作っているのです。

さとう
さとう

これが視点に気をつける1番の理由ですね。もちろん読解する時にも誰視点なのかを把握していた方が、深く理解して読めます。


【登場人物の人物像】

心情を読み取る上で、人物像はとても重要です。

文学的文章の核は「心情読解」です。なので、性格などは重要です。頭の中で人物像を整理する癖をつけたいですね。

さとう
さとう

「何気ない行動」や「セリフ」が人物像の把握をする上で重要なヒントとなります


【場面の把握をしっかりする】

大抵の小説文は「全体の一部分が切り取られて」います。

さらにその中でも場面がいくつかに分かれています。

「人は場面が変われば心情も変わります。」
[お葬式の日]①と②では心情が異なります。
➡︎①火葬場=とても深い悲しみ。
➡︎②親族が集まって夜にご飯を食べる時=故人との思い出や久しぶりに会うことへの嬉しさなど。
(②の場面では必ずしも「悲しい(マイナス)」になるとは限りません。)

さとう
さとう

実際の人間生活でも、場面が変われば気持ち(心情)や行動は変わりますよね。家と学校では心情が異なるはずです。

【場面ごとの人物像・出来事から心情把握へ】

小説読解の最終的なゴールは、心情把握です。

小説自体が心情を描くものであり、その「本文を読めたかどうか確認する目的の設問」も

やはり心情を問う問題が多くなるのは「当然のこと」ですね。

➡︎心情理解のための【心情図】作成

【行動・セリフ】・・・大声で泣く

【心情】・・・・・・・悲しい

【出来事・原因】・・・可愛がっていた愛犬が死んでしまった

設問で心情が聞かれたら、常にこれを作成してみましょう。

小説本文をこの図の項目に当てはめていきます。必ず全てが書いてあるとは限りません。

例えば

【行動・セリフ】・・・「ありがとう」(セリフ)手を握り返してくる。

【心情】・・・・・・・設問で問われている所

【出来事・原因】・・・私のことを障害を持っている人ではなく、1人の人間として彼が見てくれた。

これだけでどんな場面か想像できましたか?

さて、ここでの「私の心情」とは何だと思いますか?

答えは「感謝」です。

「ありがとう」と言って手を握り返す、この動作をする「心情」は「感謝」以外ありませんね。(同様の言葉であればOKです)

このように、3つの項目とも「互いに論理的に導くことが可能」になっています。

心情図を意識して本文を読み、心情図を駆使して小説問題を解いていきます。

さとう
さとう

小説が苦手な人ほど、心情図を意識してみましょう。主観が入りにくくなるので、点数が安定すると思います。

現代文の本文を正しく読むための勉強方法

では、正しく読むための勉強方法は、どのようなものがあるのでしょうか。

さとうが個人的にオススメする勉強方法は以下の通りです。

  • とにかく1日1題は、読解問題(問題集)を解く。
    ➡︎現代文はすぐに点数が上がりません。コツコツが勝つコツです。
    進研模試で偏差値50以上の人は、過去問をやりましょう。
    50以下の人は出口先生・船口先生のテキストを3周くらいしましょう。

  • 論理的な文章は、本文の論理構造を図式化してみる
    ➡︎初めは段落ごとの一文要約です。段落ごとの3つの関係を探っていく練習です。
    ➡︎その後、なくまとまった意味段落を図式化してみます。キーワード・キーセンテンスなどを中心に記号で繋いだりします。
    ➡︎その後、設問の意図などをもとに、答えの根拠を学びます。

  • 文学的な文章は、場面ごとの人物の心情を心情図で表してみる。
    ➡︎小説(問題)は、心情が全てですので、心情理解に特化します。
    ➡︎その後、設問の根拠などを確認します。

  • 不明な漢字、語句、慣用句など努力だけで点数に繋がるところはすぐに暗記する。
    ➡︎知識の部分は、「頭が良いか、悪いか」ではなく「努力したか、していないか」です。誰にでも点数を取るチャンスがあるので、しっかりやりたいところです。


何においても「本文を正しく読めていること」が点数アップの近道です。

設問は本文が正しく読めたかどうかを試すもの、です。

逆を言えば、本文さえ正しく読めていれば設問には答えられるということです。


さとう
さとう

ここまで書いてあることは、本文を正しく読むためだけでなく、現代文自体の学習法でもありますね。

悩む男の子生徒
悩む男の子生徒

ここまでは分かりました。けど高校3年生の受験期で、「共通テスト」も「私立一般」もあって、どちらを優先して勉強すれば良いかが分かりません。。。

さとう
さとう

なるほど。よく「共通テスト」と「私立一般」の勉強は別々なんだと考えている人がいますが、現代文の「根本はひとつ」=「本文が読めているか確認するのが設問」なのです

ここから言えることは、共テも私大も「対策に違いはない」ということです。

設問の種類も大体同じですし、記述があっても「抜き出しなさい」系が大半なので解き方の流れは選択問題とほぼ同じです。

本文を正しく読む勉強をしていれば、結果的には共通テストにも私立大学の入試にも対応できる、ということですね。

「どちらかの対策が必要」ではなく、「どちらの対策にもなっている」という意識で、焦らずじっくり丁寧に読解の学習を進めてみてください。

現代文を解くために覚えておきたい必須テクニック(解き方)

数学と同じように、設問には解き方の公式があります。

もちろん全ての問題にぴったり当てはまる訳ではありません。

しかし「大抵はこの流れで解きますよ」というものが存在します。

現代文にもいわゆる公式のようなものがあり、その流れに沿って解いていくというイメージです。

「〜(主に傍線部)とは、どういうことですか。」という設問。
➡︎傍線部の【言い換え問題(イコール関係)】です。

この設問を解くポイントは、傍線部を細かく分解して、それを違う言葉で具体的に言い換えることです。

記述問題であれば、傍線部を違う言葉で表現している部分が本文中に(複数)あります。
それ(ら)を用いて、意味の通じるように並べ替え字数以内にまとめます。

選択問題であれば、傍線部を違う言葉で表現している部分が本文中に(複数)あります。
それらを「また違う言葉で言い直している選択肢」があるので、その選択肢が答えです。

このようにすべて【イコール関係】を探して、繋いでいくことで解答まで辿り着けます。

さとう
さとう

数学の計算問題で、イコールを中心に計算がどんどん繋がっていき最後に解がひとつ分かることと同じなんです。国語も数学も「論理」です。

「〜なのは、なぜですか。」という理由を問う問題。
➡︎【因果関係】を問う問題です。パターンが2つあります。

単純理由問題
筆者(登場人物)の判断の根拠問題

さとうがよく使う例です。
A君が机に足の小指をぶつけてしまい、「痛いっ!」(傍線部)と言いました。

問)傍線部「痛いっ!」とありますが、
【単純理由問題】➡︎A君はなぜ痛いのですか?
【判断の根拠問題】➡︎A君はなぜ「痛いっ!」と言ったのですか?

この違いがとても重要です。

【単純理由問題の解答】➡︎「A君が机に足の小指をぶつけてしまったから。」
【判断の根拠問題の解答】➡︎「A君が痛いと思った((感じた)=判断した)から。」

このようになります。
単純理由は、「単純に痛い理由」を問われています。
これに対して、判断根拠は「痛いと判断した理由」を問われています。
設問を解く時に、設問文を分析し、どちらを問われているのかを考えることが大事です。

判断根拠問題は一般的に「◯◯が〜と感じた・考えた・言った・思った理由は何ですか。」となります。

答え方としては、傍線部を繰り返すことです。
「なぜ痛いと判断したの?」➡︎「痛いから。」
ただ、これだけでは答えとして意味がわからなくなるので、もう少し詳細に原因を述べます。
➡︎「A君が机に足の小指をぶつけたため、痛かったから。」

確かにそうですよね。痛いって言うのは、痛いって思ったから意外にないですよね。
ぶつけても痛いと感じない人もいて、その人は痛いとは言いませんね。

このように判断の根拠は、基本的に傍線部を繰り返して情報を加えると言う流れで解きます。
記述問題ならそれを書けばよくて、選択肢ならそうなっているものを選びます。

さとう
さとう

理由問題は、先ほどの「どういうことですか問題」と同様に最頻出の問題です。

この2つを押さえておけば、論理的な文章の問題の6割は終わりです。

文学的な文章(小説)の解法

心情に関わる問題が大半です。
➡︎心情図の作成を頭でしながら本文を読解します。これが解法の前提です。

パターンとしては、
心情そのものを聞いてくる
➡︎人物の行動・セリフや起こった出来事・原因から心情を導く。

その心情の原因(理由)を聞いてくる
➡︎単純理由か判断の根拠かが大事。

登場人物の性格・人物像を聞いてくる
➡︎その人物の行動やセリフ・心情などから導く。

●その他
➡︎風景描写や表現技法などを聞いてくる。

その他以外は全て、「心情図の作成」をすることで格段に解きやすくなります。

行動・セリフ】・・・大声で泣く (常に人物の行動・セリフに注目です)

心情】・・・・・・・悲しい (基本的に本文には書いてありません)

出来事・原因】・・・可愛がっていた愛犬が死んでしまった (出来事も必ずチェック)

※心情図の作成方法は上に解説してあります。

文学的な文章の設問にも解き方があり、その流れで考えることで安定して正解まで辿り着けます。

小説問題は特に点数の上下動が激しい分野です。
今までの人生で何らかの経験などがあると、その本文は読みやすく理解しやすくなります。(得点できる)
しかし、全く経験のないこと、想像できないことだと(特に近代小説)、難しくてよく分からないということになります。

文学的な文章の点数を手っ取り早く上げるには、「心情図作成」に特化した読み方を習得していくことです。

まとめ

Summary handwritten on glas with pen

いかがでしたでしょうか?

高校3年生向けの基礎的な現代文学習法です。
要点を押さえた効率の良い学習で、短期間の点数UPを目指したいですね。

国語も論理的な力が重要視されています。数学と同様に知識(公式)が必要になります。

さとう
さとう

知識の部分は最低限覚えて、その後【使いこなせるようになるまで演習(練習)する】ことが重要です。何度も繰り返すうちにできるようになります。

現代文の力を上げることは、その他の教科にも影響します。
数学や英語、理科や社会まで広く活用できます。他教科の成績が上がります。

「何から始めたら良いか分からない受験生、日本語だからと国語を後わましにしている受験生」

ぜひ国語から(も)学習してみてください。

今の学習の効果が何倍にもなります。

第一志望校を合格するためには、点数が必要です。
今回の記事で、少しでも点数UPのお手伝いができることを祈っています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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