【受験生・保護者・教員対象】大学入試改革の最新情報をわかりやすく解説

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大学入試について

2020年頃から頻繁に耳にするようになった「大学入試改革」ですが、

「最新情報がわからない」という声をチラホラ聞きます。

この記事では、

  • 【「大学入試改革」では何が変わる(変わった)のか?】
    • 学力の3要素」の育成・評価を目指す入試が増加中
    • 英語4技能」で求められる能力と各大学の入試方法の変化
    • 調査書の点数化」にともなう変更点と今後の動向
    • 「AO入試」から「総合型選抜」に変更されて
    • 「大学入試改革」が、実は2025年度入試でさらに変化

をわかりやすく解説していきます。

さとう
さとう

現役の教育関係の方や高校生の保護者の方、そして高校生自身に読んでもらいたい記事です。

大学受験を乗り切って、見事合格を勝ち取るためには「相手をよく知る」必要があります。

【どんな目的で「大学入試改革」が行われているのか・現在はどう行われているのか】を知ることで

「今後やるべき自分の対策」が見えてきます。

少しでもその参考になれば幸いです。

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「学力の3要素」を意識した入試が増加中

学力の3要素」は次のように定義されています。

  1. 知識・技能の確実な習得
  2. (1を基にした)思考力・判断力・表現力
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

この「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するのが大学入試であり、これを従来のものから変えることが「大学入試改革」です。

実は、この「大学入試改革」はスムーズに全てが行われているかというとそうではありません。

【2013年〜2017年時点での大学入試改革の構想・公表結果】
1点刻みから、レベルに応じた段階的成績の表示×
2段階の到達度テストの実施と入試への利用×
試験を複数回実施×
教科・科目を超えた「合教科・科目」・総合型の導入×
センター試験に代わる「学力の3要素」をはかる新テストの導入◯(大学入学共通テスト)
新テストでの記述式の導入×
新テストでの民間英語試験の活用×
入試に民間英語試験(4技能)を導入△(一部大学)
調査書の点数化△(一部大学)
eポートフォリオの実施・提出×
大学入試改革の公表項目と改革結果

表からも分かる通り、そのほとんどが見送りとなりました。

実際の「大学入学共通テスト」各教科の分析はコチラ

さとう
さとう

しかし、大学ごとで見ると独自に大学入試改革を先行させています

【早稲田大学(政治経済学部)の数学必須化】

早稲田大学では2018年度に新思考入試を導入していましたが、2021年度にさらに入試改革を実施しました。

特に政治経済学部で「数学」の必須化は大きな話題となりました。さらに「大学入学共通テスト利用入試」では国立大学と同じ5教科型(学部による)であるのも大きな変化です。

これらは、学力の3要素を意識した入試改革になっています。

共通テストを利用することで簡単に「学力の3要素」を入れられますし、一部記述式にすることで表現力などの力も入試で確認できます。
文系学部でも将来的に必須となる「数学」を受験教科にすることで、基礎的な知識も測れます。

●早稲田大学の2021年度入試の主な変更点

学部2020年度以前2021年度
政治経済学部学部独自の3教科型入試共通テスト(外国語、国語、数学の3教科3科目が必須+地歴公民、数学ⅡB、理科から1教科1科目選択)+学部独自試験(日英両言語の長文を読んで解答する総合問題+記述式あり)の合計点で判定。
国際教養学部学部独自の3教科型入試共通テスト(国語が必須+地歴、数学、理科から1教科1科目選択)+学部独自試験(英語)+英語4技能テストの合計点で判定。
スポーツ科学部学部独自の3教科型入試共通テスト(外国語が必須+国語、数学から1教科1科目選択)+学部独自試験(小論文)の合計点で判定。
さとう
さとう

これらの変更に関して早稲田大学の入試センターがコメントをしています。

これまでの私立大学文系3教科から数学の必須化は、受験生にある程度の影響を与えたのは事実ですが、これは各学部での教育において必須の学力であり、高校の必修科目はきちんと習得しておくべきという明確なメッセージです。ぜひこの意図を理解してもらいたいです。

現在、政治学・経済学では統計的なアプローチが必須であり、アドミッション・ポリシーでも数理能力に言及しています。

入試を大きく変えたことにより、受験生の慎重な志願傾向が見られました。(3学部の志願者数は前年比で65.7%と激減)新型コロナウイルスの影響もあって、高校・予備校での授業の遅れなどから、新入試に対応する準備が少なくなってしまったことも減少の理由ですね。

早稲田大学入学センター

さとう
さとう

実は、青山学院大学も早稲田大学とほぼ同じ大学入試改革を行いました。

ぜひHPなどで確認してみてください。

青山学院大学HP

「学力の3要素」を重視させた入試方式を加速させる提言

〜コラム〜
【衝撃を与えた有識者会議の提言】
2021年7月文部科学省の有識者会議が提出した提言が話題になりました。
結論としては、
「大学入試改革を大学の財政支援の対象にする」というものでした。
つまり、財政支援の対象になる入試改革をすればするほど、大学側が潤うという仕組みです。

特に私立大学は独自経営なので、財政難のところも少なくありません。
2025年度から新課程で育った生徒たちが大学受験を迎えるので、これを機会に前倒しで入試改革に踏み切る大学は、相当数あると思います。

詳しい内容を以下の図にまとめてみました。

さとう
さとう

以下のポイントを満たすと大学に補助金が出される仕組みになります。

今後の動向にも注目が必要ですね。(特に高校関係者)

【財政支援になる入試改革の主なポイント】
・英語4技能の総合的な英語力を評価する入試の実施(個別試験での英語資格・検定試験の評価)
・国公立大学では、より高度な記述式問題の出題
・私立大学では、効率的な採点・出題の工夫により記述式の出題増に努める
・総合型・学校推薦型で小論文などの思考力・判断力・表現力などを問う評価を推進
・文系学部で数学を必須化
・秋入試など、4月以外の入学時期を設けて入試を実施
・児童養護施設入所者の受験料免除など多様な学生の受け入れ体制整備
・総合型・学校推薦型選抜で小論文、討論、口頭試問などを実施し、学力を適切に把握する

ペナルティではなく、積極的な取り組みを評価するインセンティブでの付与で検討中だそうです。

各大学はインセンティブを受けようと活発に変化をしてくるはずです。受けられないとなると実質マイナスですからね。他大学と資金力の面で差を出さないために準備しているはずです。

さとう
さとう

私立大学の資金繰りはとても大変です。この財政支援は、大学入試改革を加速させる起爆剤になることでしょう。

「英語4技能」で求められる能力と各大学の入試方法の変化

これからの大学入試では、英語のどのような資質が評価されて、入試形式にはどのような変化が見られるのでしょうか?

このような動向を受けて、各大学はどのような変化をしていくのでしょうか?

大学入試における英語は、時代の変化を反映しています

2006年度には、センター試験でリスニング試験が導入されました。実践的なコミュニケーション能力の育成を目的として、従来の読解力重視から「読む」「聞く」という2技能を評価するようになります。

その後、大学入学共通テストの実施方針を2017年に出し、「英語4技能」ということが言われ始めました。

試験名筆記・リーディングリスニングリスニング音声回数
センター試験80分・200点60分・50点すべて2回読み
大学入学共通テスト80分・100点60分・100点1回読みと2回読みの混合

特に民間英語試験がもともと4技能をはかる試験でしたので、導入が検討されました。

英語の4技能とは「読む」「書く」「聞く」「話す」を指します。グローバル化に対応したコミュニケーション能力を育成・評価するためには、4技能を大学入試でも導入した方が良いとなりました。

その一環として、民間英語試験の導入が最終的に決まりました。(以下の図を参考)

2017年 英語の民間試験導入が判明。
高校教員や各大学から反対論が起こる。4技能の必要性は認めつつ、その手段が民間試験であることに批判。
2019年11月 民間試験導入の延期を文部科学省が発表。
2021年 有識者会議の提言を取りまとめ、民間試験導入の断念が決定。
各私立大学は、2017年以降、大学入試改革を受けて、外部試験導入を決めていた。
2021年 有識者会議の中で、入試改革の進行度によって財政支援をすることを決定。
その中に、民間英語試験の導入があり、英語4技能を評価する大学に財政支援が施される。
これにより、民間英語試験の導入は、今後進んでいくだろうと予想される。

関西大学の民間英語試験導入の例

2017年度の一般入試から民間英語試験の利用を開始しています。はじめは外国語学部・文学部からで、その後、経済学部・政策創造学部も。

2020年度には法学部、2021年度には人間健康学部・社会安全学部が利用開始しています。

センター利用入試(共通テスト利用入試)でも民間試験を活用しており、システム理工学部や文学部で利用できます。

関西大学の民間英語試験利用は年々拡大しており、今後も進んでいくと考えられます。

学部CEFRCambridge EnglishIELTS実用英語技能検定GTECTOEFL iBTTEAP
法・文・経済・政策創成・人間健康・社会安全・システム理工B1レベル以上140点以上4.0以上1,950点以上960点以上42点以上225点以上
外国語B2レベル以上160点以上5.5以上2,300点以上1,190点以上72点以上309点以上

【英語外部試験の利用方法】

現在は大きく分けて3つのパターンがあります。

  1. 出願する際に、一定基準以上のスコア・点数・級が必要になるパターン(出願の条件)
  2. 一定の基準以上で英語筆記試験の得点として満点が与えられるパターン
  3. 各外部試験のスコアに応じて点数が与えられるパターン
    ※共通テストとの合計で合否を判断されるパターンもあります。

さとう
さとう

各大学で取り扱いが異なります。
必ず確認して自分が有利に戦える大学を選ぶことも大事になります。

上智大学の民間英語試験導入の例

上智大学も英語の4技能をこれまで以上に重要視するようになりました。

2021年度入試の大きな変更点は、大学入学共通テスト利用入試の導入です。

これまでセンター利権利用入試を導入していなかったため、大きな驚きをもたらしました。

方向としては、共通テストの利用により標準的な強化学力を評価し、民間試験で英語の4技能も評価できるようにしています。

【上智大学 一般選抜の3つの特徴】

  1. 学部学科試験+共通テスト併用型
    共通テストの得点と学科独自の試験で合否を判定します。英語外部検定試験は任意提出で加点制。
  2. 共通テスト利用型
    共通テストの得点のみで合否判定をします。外部試験は任意提出ですが、CEFRレベルB2以上であれば、みなし点として得点できます。
  3. TEAPスコア利用型
    TEAPのスコアを利用+大学独自の試験1〜2教科で合否を判定します。

上智大学は改革の結果として、「志願者の学力が上がった」「志望度合いも高くなった」「受け入れる学生の多様性につながった」と言っています。

さとう
さとう

メリットが多いので、今後はどの私立大学も真似をしてくると予想できます。

特に3番目の「多様性」は、英語の学力には2タイプあることを示しています。

  1. 筆記試験(リーディング)に強いタイプ
  2. 4技能の力を持ったタイプ

自分がどのタイプなのか、しっかりと把握しておく必要があります。
その上で、自分の強みを活かす学習・弱点を補う学習は、どのようなものか工夫してみましょう。

「調査書の点数化」にともなう変更点と今後の動向

「大学入試改革」の一つに、入試での「調査書」の利用・活用があります。調査書に記載される情報量が増大し、点数化される予定でした。

まだまだ「調査書の点数化」をしている大学は少ないですが、今後コロナ禍の収束に伴って導入する大学は増えてくると考えます。

調査書とは、定期テストの成績や学校での学習態度・生活態度、健康状態、取得した資格などについて記述した書類です。それぞれの項目が学年ごとに分かれています。

さとう
さとう

各教科の5段階評価を平均化した数字が、内申点(評定平均)です。この数字がとても重要になります。

ほぼ全ての大学で調査書の提出(要厳封)は求められており、特に総合型選抜・学校推薦型選抜では出願の基準になったりしています。

2021年度から様式が変わり、2022年度から電子化する方針を文科省は出しています。

以下に調査書のイメージを表にしてまとめてみました。高校によっては提出する調査書を本人に見せてくれる学校もあります。見られるか確認を取っても良いかもしれませんね。

これらの項目以外に、欠席日数や各教科の評価(評定)などの数字が記載されています。

【調査書への記載項目【記載例
各教科・科目の学習上の特徴3年次最後の学年統一試験では全体の第◯位であり、優れた国語の能力を有している。授業中のグループ活動では、常にまとめ役を自ら行い、班員の意見や考えを引き出すコミュニケーション能力をもっている。また、基礎的な読解力が高く、現代文の本文を要約したり構造をまとめたりすることが得意である。
部活動◯◯◯◯◯○部活動に所属し、日々自分の能力を高めようと努力している。2年次には、◯◯県大会の個人戦にて第○位となる活躍を見せた。3年次には主将を務め、「対話すること」を念頭にチーム作りを実施していた。その甲斐もあり、部内の雰囲気は程よい緊張感と誰でも意見を言えるとなり、最後の大会では、過去最高の戦績(○○件大会団体戦第◯位・個人戦第◯位)となった。
ボランティア活動学校外でのボランティア活動があれば、「ボランティア活動の正式名称」「活動した年月日」「簡単な内容」などを記載します。
留学・海外経験留学・海外での経験があれば、「国名」「留学・活動期間」などの事実を記載します。
資格・検定取得している資格・検定試験名と取得した年月日を記載します。
行動の特徴温和な性格をしており、友人とのコミュニケーションにおいては特に聞く力を発揮している。聞き上手ということもあり、多くのクラスメイトから相談をされている。
また聞くだけではなく、自分の考えも分かりやすく相手に伝えることができている。発表やプレゼンテーションの場でも活躍した。
その他・特記事項先天的な病気や障害、受験や進学先で不利にならないように配慮すべきことなど。
調査書の内容イメージ

簡単にですが、できるだけイメージしやすいように例としてまとめてみました。

もっと具体的に書くべきところもありますが、このような形で「学校の担任の先生」が作成してくれます。

すでの調査書の様式変更はなされています。

記載する情報量が多くなり、高校側に負担がのしかかっています。ただし生徒目線ですと、多いければ多いほど評価に繋がるので有利です。

さとう
さとう

調査書の記載内容料でも差がつくということですね。

内容を増やすためには、自分でいろいろなことを活動する高校生活を送らなければならないですね。

さらに、

現役生は、担任の先生とよくコミュニケーションをとっておくことをオススメします。

知ってもらっていればいるほど、記載する量が多くなります
➡︎結果、受験時の点数につながります。特に辛い思いをするわけでもなく、担任との交流で点数が上がります。おすすめです。

千葉商科大学の入試で導入

2018年度から、一部の入試で調査書の点数化を導入しています。

2021年度には全ての入試へ拡大しました。総合型・推薦型だけではなく、一般選抜でも調査書を点数化(40点満点)し、合否の判定に活用しています。

この40点というのは、一般入試だと訳1割の配点となります。(千葉商科大学では)

30点以下だと合否に影響がなく、60点だと調査書の比重が大きくなりすぎますね。40点というのはちょうど良い点数だと思います。

入試時点での学力テストだけで、生徒の全てがわかるわけじゃありません。高校時代に頑張った活動や経験などについても評価してあげたいという思いで、調査書の点数化を導入しました。在学生の学修状況を分析すると、高校の成績が良かった学生は、入学儀の成績も良い傾向にあります。本学では、対話型・プロジェクト型の授業が多いため、高校の時にしっかり学んだ学生の方が伸びやすいのです。」

千葉商科大学 入試センター長より

国公立大学の調査書点数化はコロナ禍で延期

国公立大学でも進む予定でした。

それを阻んだのが「新型コロナウイルス」と「コロナ禍の長期化」です。

全国の高校で次々に休校となり、課外活動や検定試験なども思うように実施できませんでした。

これでは評価できるものもできないとして、延期されました。

例えば、筑波大学では

2021年度導入予定 ➡︎ 見送り
➡︎2022年度も見送り
➡︎ 2024年度までは見送りと21年7月に発表
2025年度以降は「引き続き検討中」とのことです。

コロナ禍の影響が今後も続くようでしたら、他の国公立大学も延期・導入見送りになるでしょう。

感染が収まってきた場合、文部科学省の方針である以上、国公立私立大学共に「調査書の点数化」は導入されていくと考えられます

「AO入試」「推薦入試」から「総合型選抜」「学校推薦型選抜」へ

2021年度から従来の名称から、新しい名称・方法へと変わりました。

変更・改革の1番の原因は「入学生の学力不足が批判された」ことです。

大学入試は当初一般入試しかありませんでした。1967年に推薦入試が登場、1991年に慶應義塾大学がAO入試を導入しました。

1995年には推薦入試が入学定員の3割、2000年には5割を占めるようにと文科省が示しました。

入試の定義については「詳細な書類審査・丁寧な面接・入学志願者の学力能力・意欲目的意識などを総合的に判断する」としている。

さとう
さとう

この時点で、現在の入試の原型が完成していますね。

新入試ではもう少し学力の比重を重くする感じですね。

一方。1990年から2000年頃にかけて、AO入試・推薦入試の入学者の学力不足が批判されるようになりました。

実際、私立大学の一部では入学試験がほぼないまま、入学することが可能でした。

さらに問題は、入試と合格発表の時期が早すぎてしまい(早いと10月には決まる)、高校生に「学習意欲の低下」や「学力不足」を招いているとされました。

そこで「大学入試改革」では、以下のような変更が新入試ではなされます。

【項目】【総合型選抜(AO入試)】【学校推薦型選抜(推薦入試)】
願書受付開始9月1日(8月)11月1日(9月)
試験日10月(9月)11月(10月)
合格発表日11月1日以降(10月)12月1日以降(11月)
試験内容(変更後)大学入学共通テストか以下の学力試験を課す
小論文・プレゼン・口頭試問・実技・各教科科目に係るテスト・資格・検定試験の成績
「総合型とほぼ同じ」
その他従来の書類審査などは変わらす、最近はオープンキャンパスへ参加必須・講義を受けてレポートの提出など多様な入試へと変化している。総合型選抜以上に、志望理由(書)が重要となる。

総合型・推薦型選抜において、私立大学だけではなく、国公立大学も「共通テストを課す」ところが増えてきました

従来の国公立大学推薦入試では、共通テスト(センター試験)を課すか課さないかはどちらもありました。

しかし2010年頃から学力を把握するために、課す方式が増大。

2017年には、推薦型が214学部・総合型が96学部

➡︎2021年には、推薦型254学部・総合型147学部

わずか数年で増大しています。それほど、この2つの入試で学力を測る物差しが重要になることを覚えておいきましょう。

総合型選抜・学校推薦型選抜の変遷

以下が総合型・推薦型選抜の変遷です。

【年度】【主な内容】
1967推薦入試の明記(定員の一部で出身校長の推薦に基づいて判定)
1970推薦入試の時期の明記(2月20日までに合否発表)
1983小論文・面接・実技試験を実施する際の目的を明確化
1991AO入試、慶應義塾大学で本格的に導入
1995推薦入試の願書受付:11月1日以降/推薦入試は入学定員の3割(短大は5割)を目安
2000推薦入試は入学定員の5割を目安として各大学が適切に定める
2002AO入試の実施内容と時期を明記
2008国立大学、AO入試・推薦入試の募集人員を入学定員の5割を超えない範囲に
2011AO入試の実施時期を変更(願書受付は8月1日)
2021AO入試は「総合型選抜」推薦入試は「学校推薦型選抜」に名称変更
大学入学共通テストを課す
文部科学省のHPなどより作成

国公立大学や難関の私立大学は、総合型選抜・学校推薦型選抜のハードルは高くなっています。

一般選抜より入りやすい(受かりやすいい)イメージがある2つの選抜ですが、そんなことはありません。

【以下が出願資格の例です】

  • 出願の条件が共通テスト8割以上
  • 高校在学中の特に優れた成績や研究成果
    〈例えば〉科学オリンピック、高校生科学技術チャレンジ、日本学生科学賞、国内外で開催されたコンテストへの入賞、商品レベルの開発品、雑誌への論文発表など
  • プレゼミ(大学の講義)に参加しレポート作成
  • 2日間にわたる論文入試(1日目図書館文献でのレポート作成、2日目は討論と面接)
  • 理科実験室入試(1日で終えた実験の研究発表)

このような総合型・推薦型は今後も拡大していくと思われます。

一時言われていた「合格しやすさ」は徐々に減っていきます。

「学力の3要素」、「アドミッションポリシー」、「能力・意欲・適正」を持った人が受かっていきます。

さとう
さとう

一般選抜とはまた異なる特技・能力が求められると言ってもいいです。根本の基礎知識は共に必要ですが、尖った武器があれば総合型・推薦型は戦いやすくなります。

「大学入試改革」が、実は2025年度入試でさらに変化

2025年度(新学習指導要領に基づく教育を受けた高校生が、大学入学共通テストを受験する年)に向けて、各大学が「大学入試改革」をさらに進行させています。

国も今まで以上の「改革」を構想しています。

2025年度入試は、一つの転換期になると考えられます。

2025年度は新学習指導要領に基づく最初の年度として、共通テストでも科目が変わります。

悩むパパ
悩むパパ

また新しくなるなんて・・・何を捉えておけばいいのか分からなくなるよ。。。

さとう
さとう

結論は「社会科」と「情報」が新しくなります。

特に注目するべき科目は「歴史総合」です。

「歴史総合」は日本史と世界史の両科目に課されており、それぞれ別問題になると予想されます。

この新科目の施行調査問題などはまだ出ていませんが、今までとは考え方が変わってくると予想されます。最近の共通テスト「日本史・世界史」でも知識の暗記だけで解ける問題は少なくなっています。
それが、さらに全範囲に渡ってくると考えられます。

さらに教科「情報」を国公立大学が必須にするなどの動きもあります。サンプリ問題もあり、大まかな方向性が見えてきています。

大学入学共通テスト「情報」サンプル問題↓
https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040342.pdf&n=12_

【令和7年度(2025年度)大学入学共通テスト出題教科・科目】

教科】科目】教科】【科目
英語英語コミュニケーションⅠ
英語コミュニケーションⅡ
論理・表現Ⅰ
理科物理
化学
生物
地学
物理・化学・生物・地学基礎
数学①数学Ⅰ
数学Ⅰ・数学A(図形の性質・場合の数と確率)
地理歴史公民地理総合・地理探求
歴史総合・日本史探求
歴史総合・世界史探求
地理総合・歴史総合・公共
公共・倫理
公共・政治経済
数学②数学Ⅱ
数学B(数列・統計的な推測)
数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)
情報情報Ⅰ
国語現代の国語
言語文化

今後も大学入試センターから出される情報に注目しておく必要があります。

まとめに

いかがでしたか?

「大学入試改革」について、今まで実施されてきたものと、これから実施されるであろうものまでをまとめてきました。

保護者の方世代(30代後半〜)ではなかったような入試方式・内容になっていて驚かれる人もいるかと思います。

しかし、しっかりと理解して、分析して、対策をすれば難しいことはありません。

ただし、付け焼き刃(一夜漬けのようなこと)は通用しなくなりました。高校なら高校3年間の全てが受験につながっていきます。

お子様が大学受験を考えた時に、避けては通れないものが「受験」です。

そしてここ数年は継続して「大学入試改革」が行われています。今どんなことが行われて、今後どうなっていくのかを知ることが対策のスタートラインです。

まとめ【「大学入試改革」では何が変わる(変わった)のか?】

●「学力の3要素」の育成・評価を目指す入試が増加中

●「英語4技能」で求められる能力と各大学の入試方法の変化

●「調査書の点数化」にともなう変更点と今後の動向

●「AO入試」から「総合型選抜」に変更されて

●「大学入試改革」が、実は2025年度入試でさらに変化

ここまで読んでいただきありがとうございました。皆様の受験が成功しますことを祈っています。

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