「成績が伸びない原因の9割は学習方法だ。」
これは私が11年以上、高校や予備校で受験指導してきた結論です。
高校受験や大学受験になると、ひたすら勉強することが大事だと思っちゃいますよね。
そんな時にふと、
「このまま時間だけ取らせて勉強させててもいいのか?」
と不安になることがあると思います。
大丈夫です!その不安は誰もが通りますし、この記事を読めばそんな不安も解消されます!!
この記事では、「基礎編」と「応用編」とに分けて、間違った勉強方法と正しい勉強方法について解説します。
受験勉強は、時間だけ長くしても意味がない
ノートと問題集に向かってやっている(風に見える)だけで安心してはいけません。
成績は、間違った勉強方法ではいくら頑張っても伸びません。逆に正しいやり方で学べば驚くほど成績は上がります。
かつての生徒で
「大阪大学」「東北大学」「千葉大学薬学部」「早慶」「MARCH」に合格した人や「都道府県のナンバースクール(〇〇第一高等学校)」に合格した人
が実践した方法を紹介します。
不安な保護者の方はこの記事を読んで、お子様の勉強方法に是非取り入れてみてください!
取り入れられる所から取り入れて、無理のない範囲で継続的に学ばせることが大事です!せっかく勉強を始めたのであれば、それを続けさせたいですよね。モチベアップのサポートをするのが大人です。
【絶対に確認してほしいこと7選】(基礎編)
基礎編では、すぐにやめるべき勉強方法と正しい勉強方法(改善策)を紹介します。
今すぐやめて正しい勉強方法に変えれば、成績が伸びます。
特に正しく勉強できているかどうかは「ノートを見る」とすぐに分かります。
①ノートの取り方
【NGノート】
・字は丁寧、見た目もびっちり書いてあるけど、教科書・ワークをそのまま写してあるだけ。時間効率が悪い勉強方法。(真面目一生懸命だが成績は上がらない)
・問題を解く時に、問題文章や設問文まで写していたりする。時間の無駄が多くなっている。(言われたことはしっかりやるが、それだけで成績は伸びない)
両者とも「効果の無いものに、時間をかけている」という所ですよね。これが「やった気・やっている風」に陥りやすい勉強方法です。
【OKノート】
・数学でイコールの位置をそろえている。計算過程を省略していない。分母分子が1行に分けてある。
・国語や理科・社会などの問題を解くときは答えだけ。間違いはすぐにやり直している。
・あとで見返した時に、一瞬でどんなことを学んだか思い返せるノートになっている。
未来の自分へ向けた意識でノートは作ります。見返すこと前提です。繰り返し学習が重要!
②参考書や教科書をノートにまとめているか
教科書や参考書をノートにまとめる作業はNG勉強方法です。これは「勉強」ではなく「作業(労働)」です。作業していないか確認してみてください。
➡︎【問題を解く時間を増やす】勉強方法に変更しましょう!
ノートにまとめただけでは、成績は上がりません。
受験ではどれだけ問題演習をしたかが合格のポイントとなります。学校のワークやお子様のレベルに合った問題集を使い、「問題を解く時間」を増やさせましょう。
イメージは、【インプット3〜4割:問題を解く6〜7割】です。
③問題集を何周するのか
問題集やワークを1周しかしない勉強方法は、もったいなさ過ぎます。人間は必ず忘れる生き物です。
➡︎【間違えた問題だけあと3周はする】勉強方法に変更!
全部解き直すのは非効率的ですので、間違えた問題だけを二度と間違えないつもりで再度解かせます。
その方が本人も納得しますし(間違えているので)、時間短縮にもなります。
よくある間違いで、問題集を1回解いたらすぐに新しいのも買いに行くというのがあります。問題集や過去問は周回してこそ価値のあるものなんです!
④模試や実力テストの復習・見直しはしているか
模試や実力テストで間違った問題は「お宝」です。やっていないならNGです。
➡︎テスト直しノート(解き直しノート)をつくって、自分だけの参考書をつくらせましょう。
テストを受けっぱなしにしているお子様はとても多いです。これは非常に勿体ないんです。
テストでできなかった問題をできるようにするだけで点数が上がります。
→できない問題だけがわかったので、効率よく学習もできます。
具体的には、間違えた問題のみをピックアップして、間違った理由を分析して、理解・納得するまで徹底的に取り組むだけです。
【各教科の取り組み方】
- 国語・・・設問の分析(何を問われていたのか)、答えの根拠(なぜそこが正解なのか)、本文の読み取り(本文はどんな構造をしているか)、古文単語・漢文句法の暗記、古文漢文の全訳確認
- 数学・・・公式・定理の理解・納得、ミスの有無の確認、とにかく納得するまでやる、別解の可能性を探る(これは応用です)、類題でひたすら演習
- 英語・・・何よりも単語を暗記、文法や熟語・構文も確認、長文は単語がある程度暗記できてから、長文は構造を読み取る
- 理科・・・一つひとつのことを「理解・納得しながら暗記」するだけ
- 社会・・・一つひとつのことの「背景を理解した上で暗記」するだけ
このような内容でノートにアウトプットしたり暗記したりします。
※以下の記事には各教科の学習方法や受験対策について詳細にまとめてあります。
気になった方はチェック!!
⑤単語の学習の仕方
ひたすら何度も何度も「書いて覚える」ことはNGです。時間が無駄です。
ノートに「play play play play play play play play play play play play play」「遊ぶ 遊ぶ 遊ぶ 遊ぶ 遊ぶ 遊ぶ 遊ぶ 遊ぶ」とか書いてませんか?
これもいわゆる「作業」であって「勉強(考える)」ではありません。考えない限り学力を伸ばすのは難しいです。
正しくは
➡︎「テスト(アウトプット)を取り入れた暗記をする」 ことです。
【具体的な方法】
※書いて暗記する(インプットする)ことから抜け出す。
・英単語帳と単語カードや白紙のノート、英単語アプリなどを準備する。
・毎日20分だけ集中して、「インプット→アウトプット」を永遠繰り返す。
※◯個ではなく、時間の方が効果的です。
・インプットは1単語に2秒以上かけない。(見る・読む・確認するだけ)
・アウトプットは単語カードでテスト・白紙に答えの単語の意味を書くテスト、英語アプリでテスト。
・合計で「6分見る読むなどのインプット・14分書くなどのアウトプット」にする。
特にアプリを使用することをお勧めします。
自動で間違えた問題を集計したり、テストを作成してくれたりします。とても効率の良い学習ができます。
スマホは学習における「毒」にも「薬」にもなるツールです。古文単語や社会にもあります。
ぜひ有効活用してほしいです。
【コラム】 〜集中力を鍛えるためにはどうすればいいの??〜 生まれながらにして集中力が高い人はいるかもしれません。しかしたいていは後から見つけるものです。 そして集中力を鍛えるために良い方法が、 「何かを覚えよう・身につけようと努力する時間を取る」 ことなのです。 「集中力を鍛えるために、集中する時間をしっかり作る」 ということでもあります。 つまり勉強で言うなら「単語の暗記の時間」なのです。 暗記を強化していく中で、自ずと集中力も強化されていきます。 集中力を鍛えることで、他教科にも役立ちます。本番にも強くなります。将来の仕事でも、勝負どころで活躍できる人間に育ちます。
⑥質問はしているか、独学はしているか
自分で一生懸命努力して勉強していることは、とても素敵なことです。
ただし効率は良くありません。NG勉強方法です。
➡︎なるべく早く・多く質問する学習へ(時間短縮・効率化)
これには質問しやすい先生や塾の講師を探す必要があります。
教員や塾の講師であればみんなが口を揃えて「よく質問にくる生徒ほど、成績が伸びる」と言うはずです。それくらい当然のこととなっています。
しかし子ども側からすると「恥ずかしい」「そんなことも理解関ないのかと思われそう」など質問することに対して「マイナスイメージ」を抱いている人が多くいます。
こんな感じになっていませんか?
数学の問題を解く ➡︎答え合わせをする。 ➡︎間違えたところの解答解説を読む。 実は解答解説も完璧ではなく、問題を解いていく過程が省かれていることが多くあります。 ➡︎読んでもわからない、教科書を見にいく。 ➡︎問題とどう繋がっているのかが分からない。 ➡︎悩んでももっと分からないので眠くなる。 ➡︎寝てしまい、自己嫌悪 ➡︎解決しないまま次へ。
この無限ループにおちいってしまうと、成績が上がるどころか、本当に勿体ない時間の使い方をしてしまいます。(いわゆる無駄な時間ですね)
分からない問題にじっくりと向き合うことも大切です。
しかし、20分・30分と悩んでいては無駄な時間になってしまいます。特に受験期であれば時間は有限です。
お子様の悩んでいる様子が見られたら、すぐに質問ができる人を探す方向へ切り替えさせてみてください。
教え方が自分に(お子様に)合う先生を見つけて、とにかく聞きまくる。
⑦誤った認識で強制させていないか
実は一部の大人による誤った勉強方法の強制が、成績向上の妨げになっていることはよくあります。
失礼ながら、素人の方が自分の経験だけで正しいと判断して、それを子供にやらせることが原因です。
例えばこんな間違いがあります。
「自主学習ノートは隙間なくびっしりと埋めなさい。もったいないし、多くやることが大事だから。」 「問題をノートに解くときは、問題文も写しなさい」 「英単語や漢字は最低30回は書いて覚えなさい」 「ノートはきれいにまとめなさい。読める字で書きなさい」 「単語の暗記より、理解する勉強の方が大事」 「学習時間をしっかり取るだけで、成績は比例して上がる」
一例ですが、私の生徒が大人からよく言われてしまうものを挙げてみました。
繰り返しになりますが、11年間受験指導をし、2000人以上の生徒と関わり、予備校・塾とも経験をした「さとう」の、正しい学習方法は以下の通りです。
〜〜〜ここまでのまとめ〜〜〜
×ノートを隙間なくびっしり埋める。 ◯ノートはなるべく余白をとり、隙間を作ってまとめる。問題を解く。 余白には、勉強している中で気がついたことや、間違えた原因などを書きます。また丸付けの時に、計算ミスを発見しやすくなります。
×問題文も写す ◯なるべく書く量と書く時間は省略する。(効率化を目指す) 問題文や解説を写す行為は無駄な「作業」です。学習効率の向上を工夫することも勉強の一つです。
×英単語や漢字を何度も書いて覚える ◯問題を解く時間を増やして、単語の暗記は時間を決めて集中してやる。 覚えることは大事です。しかし脳から知識を取り出す練習(アウトプット)をしないと成績は上がりません。 単純に書いて覚えるという行為は、なるべく減らしていきましょう。
×ノートはきれいな字で、きれいにまとめる ◯見返すことがノートの役割で、自分が読んで理解できればOK 特に女子のお子様に多いと思うのですが、ノートをきっちりきれいに色分けして、絵なども書いて・・・としていませんか?無駄というのは厳しいと思いますが、意味のない行為です。 1回で終わらせては意味のないノートです。しかし見返すためにきれいすぎるのも時間の無駄です。 自分が読める字、理解できる最低限のまとめ方で大丈夫です。
×単語より理解する勉強を優先 ◯基礎知識の暗記が優先 これも一見すると正しい勉強方法に聞こえます。実際、理解・納得するまで取り組むことは大事です。 しかしそれも基礎知識があるという前提です。 「赤ちゃんは新聞を読めません。それは言葉を知らない(基礎知識がない)からです。」 これと同じように、英単語、古文単語、漢字、語彙などの基礎知識がなくてはそもそも勉強にすらなりません。 まずは、基礎知識の暗記(インプット)➡︎確認テスト(アウトプット)を徹底しましょう。
×学習時間と成績は比例する ◯残念ながら、学習時間と成績は比例しません。
実際は以下のようなイメージです。
しばらくは「頑張っても伸びない時期が続く」のです。 知識の穴を埋めているからです。 例えば「高校入試の英語」の場合、中学1年生から3年生までまんべんなく出題されます。 受験勉強を始めたばかりだと、中1と中2の復習をしていたり、単語を暗記していたりする時期では点数が伸びません。毎回同じような点数になります。 基礎が仕上がって、知識が多くなってくると「ある日突然」過去問が解けるようになります。 この理屈を頭ではわかっていても、なかなか結果が出ないと心が折れてしまいます。 しかし、必ず伸びてきます。決してあきらめないで継続してみてください。
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