「国語の勉強方法が分かりません!」
「国語はセンスだから、勉強しなくてもなんとかなるでしょ?」
多くの中学生や高校生がこのように考えています。
受験生を抱える親御さんにも「国語に勉強方法なんてあるのか?」とよく言われます。
残念でした。これはよくある大きな間違いの1つです。この考え方では、いつまで経っても国語の成績が上がらないのです。
国語の問題文・本文を正しく読むためには、そもそも正しい勉強方法を理解していなければいけません。
正しい勉強方法を実践することで、国語の本文を正しく読める力が身に付きます。
【この記事で分かること】
高校受験や大学受験のための
- 正しい国語の勉強方法
- 正しい問題文(本文)の読み方
です。
この2点に注目していきたいと思います。
記事の中には、初めてのことで少し頭を使う部分やイメージしにくい部分があるかもしれません。
しかし、「慣れる」ことで、いつでもそのように考えることができるはずです。
国語の考え方を一緒に身につけられるようになっていきましょう!
【結論】「正しい勉強方法と正しい本文の読み方」
◯国語はセンスや感ではなく、正しい勉強方法がある。
◯本文(問題文)は、【構造的な読み】(頭で本文の構成を図式化する読み)で理解する。
それでは細かく解説したいと思います。
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国語の勉強方法の誤解と正解
国語への間違った認識のままでは、いくら学習しても効果が上がりません。
人の意識はとても重要です。
本当に実感したり、そう理解していないままでは、何をやっても上手くいきません。
では、国語の話に戻します。
国語には勉強方法があまり浸透していません。
それには様々な誤解があるからだと感じています。
このような誤解がとても多いです。
読者の皆さんの中にも、「あ、そう考えている」と共感できる部分があったかもしれません。
しかしこれは全て誤解・間違いです。
正しくは、
日本語だから何も考えず、疑問を持たないにいる人が多くいので、なかなか正しい方法が浸透しません。
勉強方法の具体的な実践例
国語の正しい勉強方法は分かったけど、実際にどうやればいいんですか?
それでは具体的な勉強方法について解説していきます!
一覧でまとめてみました。
自分ができるところから、お子さんがやりやすそうなところから始めてみてください。
【勉強方法】 | 【注意するところ】 |
毎日1問、文章問題を解く。 | 日本語だからこそ、能力の向上に時間がかかります。クセやズレを修正するのに時間をかけなければなりません。 |
漢字・語彙を暗記する。 | 赤ちゃんは新聞を読めませんね。言葉を知らないと理解できません。「いちいち調べる」ことができるかできないかです。 |
何となくで本文を読まない。 | 正しい本文の読み方=「論理的な読解」です。このあとで詳細を説明します。 |
本文の展開を図式化してみる。 | 論理(=道のり)を図式化してみます。地図のイメージで本文は流れに沿って図式化できます。このあとで詳細を説明します。 |
何となくで答えない。 | 問題の答えはすべて本文にあります。本文を根拠に答えるクセをつけましょう。ある程度の数の「解き方パターン」を覚えてしまうのがいいです。 |
正解かどうかは重要ではない。 | 問題を解いて当たっていると嬉しいです。しかし国語の場合は、解答までの道のり(考え方)が当たっていたかが重要です。問題の解説を読むときはそこを注視します。 |
古文や漢文も単語力をあげる。 | 文法も大事ですが、一番は単語力です。1冊の単語帳を100周できるように毎日取り組みます。 |
解説の丸写しは無駄なのでしない。 | テストや模試の直しをする際に、解答解説の説明を丸写しにしても全く意味がありません。そこは「読んで理解する」だけでOKです。 |
丁寧に時間をかける。 | さっと解いて、さっと丸付けして終わり。これではいくら数を解いても、ずっと同じ点数のままです。じっくり本文を振り返る・まとめる・答えの根拠をじっくり理解することが大事です。 |
だいたいはこのような方法で国語を勉強していきます。
一番大事なことは【国語はセンス】であるという意識を捨てることです。
センスではありません。【国語は努力】です。
じっくり時間をかけて「本文」、「問」、「答え」に向き合わなければ絶対に点数は伸びません。
受験勉強や日ごろの勉強で意識してもらいたいことです。
国語の本文の正しい読み方
すべては正しい読み方から始まります。
本文(問題文)を読めないことには、問題(設問)に答えられませんね。
正しい読み方をするための結論は、【3つの論理記号】を意識することです。
「3つの論理関係」とも言います。
超重要な3つの論理的関係
「イコール関係」・・・言いかえ、同じことの繰り返しをしている。
「対比関係」・・・対比、対立する内容や構造になる。
「因果関係」・・・前が「原因」となり、後ろに「結果」が来ます。理由を伝えてくれます。
〈例文〉
私は甘いものが好きだ。例えば、アイスクリームやケーキなどです。しかし、甘いものを食べすぎているせいか、歯が痛くなってしまいました。だから私は明後日に歯医者さんへ行きます。
このような文章があるとします。
3つの論理記号・論理関係は見つかりましたか?
イコール関係 | 「甘いもの」 | 「アイスクリームやケーキ」 |
対比関係 | 甘いもの好きでたくさん食べていた。(幸せ・うれしい) | 甘いもののせいで虫歯になってしまった(辛い・悲し) |
因果関係 | 歯が痛い。 | 歯医者へ行く。 |
少し言葉を付け足しましたが、このような表でまとめられますね。
実はすべての問題文章(本文)は、この3つの論理関係を使って書かれています。
説明文・評論文(論理的な文章)でも小説(文学的文章)でも同じです。
これらを意識しながら(探しながら)文章を読み進めていきます。
その際にヒントとなるのが、「接続語」です。(接続を表す語という意味です。接続詞だけではない)
イコール関係の接続語 | つまり・言い換えれば・たとえば・指示語 |
対比関係の接続語 | しかし・ところが・~だが(しかし)・けれども |
因果関係の接続語 | なぜなら・だから・~ので・~から・ゆえに |
これら以外にもありますが、代表的なものをまずは覚えてしまいましょう。
接続語が出てきたら「必ず」チェックします。
本文の構造的な読みは、接続語を確認していくことでできるようになります。
次に大事なことは、「冒頭(最初の段落)」と「末尾(最終段落)」を意識して読むことです。
特に「末尾」は結論部分になることが多いです。
説明文でも小説でも結果が書かれています。
最終段落を初めに読んでしまっても問題ありません。(むしろ効率的です。)
さらに、【本文は「段落ごと」に読んでいく】方が整理するためには有効です。
段落ごとに読んでいき、頭で論理的な関係を整理していきます。
頭だけだと慣れないうちは難しいので、整理するための「論理展開図」があります。
なんとなくイメージできましたか?
論理展開図の作成は、国語力を上げるためにとても重要です。
慣れないうちはとても時間がかかります。
時間がかかりすぎる場合は、「1段落から10段落までにしよう」などと自分で範囲を決めちゃいましょう。
【論理展開図を作成するためのコツ】(なるべく簡易化しました。)
・まずはその段落で筆者が何を言おうとしているのかを読み取る。
・段落内で、「つまり・しかし・だから」のような接続語をチェックする。
➡︎その接続後の後がその段落の要点になります。
➡︎画像1枚目で言うと、本文が
「日本人の特殊性や特徴は、ひらがな・漢字を使うです。」
しかし
「合理化が進む現代は、どこでも通じる英語を使いましょう。」
という流れになっていたので、このようにまとめることができます。(段落内で対比関係がある)
➡︎さらに続きます。
「しかし、母国語を失った国は、自国の文化がなくなったということなのでみじめです。」
と筆者は言います。
➡︎つまり(イコール関係)
「日本人はひらがな・漢字を大事にしてね。」ということを、実は言いたいと分かります。
・段落の要点が分かったら、次の段落を読みます。
➡︎先ほどと同じように読んでいきます。
「伝統とは言葉であり、その言葉がなくなり外国の言葉(英語)をマネるのは悲惨です。」
となっています。
・2つの段落と段落の関係(3つの論理的関係)を考えます。
➡︎最初の段落には「母国語を失った国はみじめ」
➡︎次の段落には「母国語を失った国は悲惨」
そうなんです。
2つの段落は、「同じことを繰り返している」イコール関係だったと分かります。
➡︎「第1段落」 = 「第2段落」 の論理関係が分かり、論理展開図が書けます。
以上のようにして
・段落を理解 ➡︎ 段落ごとの関係を図式化
を繰り返していくことで、本文の読解力がどんどん上がっていきます。(地道にコツコツが早いです。)
本文を正しく読めないとどうなる?
当たり前ですが、問題が解けなくて点数が上がりません。
しかし、それより恐ろしいことがあります。
「国語の点数が大波くらい上下が激しく・安定しない」ということです。
中学生であれば15年間、高校生であれば18年間、基本的には日本語を使って生活してきたはずです。
日本にいれば、日常生活に困らない程度の日本語力はあります。
しかし「本文の正しい読み方」を知らないまま、問題を解くと・・・
「自分の感性・持っている知識・語彙力に合っていた本文」 ➡︎ 「点数取れる」
「自分の感性・持っている知識・語彙力に全く合わない本文」 ➡︎ 「点数取れない」
こうなってしまい、現代文は安定しない、「センスなんだ」と間違った認識になります。
このような認識を持ってしまうと、国語の勉強を始めなくなってしまうことが多いです。
「本文の正しい読み方」が「国語の学習の重要性の認識」にまでつながっていきます。
この記事を読んでくださっている皆さん(または保護者の方)は、そうならないように是非、意識してみてください。
文章を論理(道筋)にそって正しく読めないことは、他教科にも影響があります。
今や文章問題は「国語」だけではありません。
高校入試でも大学入試でも基本的には
「文章を読ませて」➡「問われていること(課題)を理解したうえで解かせる」
という流れになっています。(以下を参照ください。)
図はありますが、まるで現代文(国語)ですね。
これなんかは、完全に現代文ですね。
状況説明の文章なだけですが、理系で文章嫌い(文字嫌い)の人にはかなり厳しいですよね。
文章を読んでいき、適切な計算をして穴埋めをします。
さらに「求め方の整理」として文章でまとめさせようとしています。
何においてもまずは「文章読解能力」が求められていることが分かると思います。
まとめ
国語の正しい勉強方法と文章の正しい読み方を解説してきました。
どちらも切り離すことができないので、一緒の記事になってしまいます。
国語は決して「センス」や「感」だと思ってはいけません。
「正しい学習方法」があり、それでしか能力を上げることができません。
また、その第一歩は「正しい本文の読み方をする」ことです。
構造的な読みは、最初に苦労しますが、慣れるまで反復練習あるのみです。
その練習でおススメなのは、「論理展開図」を作成することでしたね。
1人でも多くの受験生に役立ててもらえれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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