「東大に入りたい」という高いモチベーションで勉強していても、残念ながら現役では合格できずに浪人の道へ進む人も少なくないですよね。
予備校や塾などに通いながら一生懸命勉強している人や、宅浪で努力している人が多いと思います。
しかし予備校・塾で授業を受ける時間よりも、浪人生だとどうしても自分一人で勉強する時間の方が長くなります。
世の中には星の数ほどの参考書が売られていますが、
「本当に東大に合格できる参考書を使っているのか」どうか心配になる人もいると思います。
「この参考書で本当に学力が伸びるのか?」
「この勉強法で東大に入れるのか?」
「もっと効率的に学力を伸ばせる参考書はないのか?」
そのような悩み・疑問に対して、今回は私の教えてきた生徒たちで「浪人して東大に合格した」人が絶対に使っていた参考書とおすすめの勉強法を5教科ごとに紹介します。
※以下の目次より、知りたい項目へジャンプできます。
英語
おすすめの参考書
『改訂版 鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』(KADOKAWA)
単語を派生語などと共に覚えられる上、多義語をまとめた章なども有り東大対策には非常に有効です。
『鉄緑会 東大英語リスニング 改訂版』(KADOKAWA)
設問が特徴的かつ難しい東大英語のリスニングを攻略するのに適した良書です。過去問にはない新問題が多数収録されているので、経験を積むこともできます。
『東大の英語リスニング20カ年』(数学社)
一般的に赤本と呼ばれているものです。やはり過去問は使えますし、やらなければなりませんね。
『東大英作の徹底研究』(駿台文庫)
東大英作の、と名前はついていますが、英作文を書くために必要な深い英文法を、本当に深いレベルで理解することができ、東大以外の英作文の勉強にも役立ちます。また、文法問題や読解問題の得点も上がり、英文法の理解が英語全般においてどれほど有効かを教えてくれる、至極の名著です。
医学部や早慶・旧帝大・外大などの赤本
多読することで英語の長文に慣れることが東大英語を解く上で非常に重要となります。そのためには、東大の赤本以外にも、さまざまな大学の過去問を解くことはおすすめの勉強法です。
詳しい勉強法
〇英文読解は精読を意識して、慣れてきたら多読にチェンジ
〇英単語暗記のコツは広く浅くを繰り返すこと、単語同士の関連性が見えると覚え明日さもUP
〇英作文は身近な題材(LINEニュースを英文に直す)をフル活用して数をこなす
〇リスニングの具体策の秘訣は実際に音声を聞く、シャドーイングも取り入れれば英語量が格段に飛躍する
国語
おすすめの参考書
『記述編 現代文のトレーニング』(Z会)
現代文の読み込み方、解答の仕方が詳細に解説されています。これ1冊で大半の対策ができます。
『鉄緑会東大古典問題集』(KADOKAWA)
解答・解説が懇切丁寧です。巻末の「古文単語集成」「古典文法基本事項」「漢文基本句法」は基本の強化・確認に最適です。
『古文研究法』(ちくま文芸文庫)
受験参考書には珍しく、大学教授の方が書かれたものです。受験参考書レベルにとどまらないレベルで、古文文法や知識を吸収することができます。古文常識などもすべてカバーしており、これ1冊で大学受験古文であれば、理科Ⅲ類レベルまで到達することができます。
詳しい勉強法
〇文章の構造を論理的に掴むのが現代文得点アップの近道
〇古文単語は丸暗記ではなく、漢字や語源に着目して応用力を身に付ける
〇古文・漢文は文法規則を暗記。精読➔多読で現代語訳のクオリティを高めていく
数学
おすすめの参考書
『チャート式 基礎からの数学』シリーズ(数研出版)
通称『青チャート』。数学ⅠA、数学ⅡB、数学Ⅲの3巻で基礎を完全に網羅できる必携書です。
『大学への数学1対1対応演習』シリーズ(東京書籍)
大学入試の標準レベル。例題と演習題が対になっていて、その都度理解度を確認できる優れた参考書です。
『鉄緑会東大数学問題集』(KADOKAWA)
詳細な解説と別解が豊富に乗っていて丁寧な説明があります。
『数学受験術指南』(中央公論新社)
これは参考書というより新書ですが、京大の数学の教授の方が書かれているので、入試問題の作られ方や、大学教授から見た入試答案など、普通の参考書では知ることができないことを理解できます。新書なので参考書や問題集のようにハードルが高いことも無く、気軽に読み進めることができます。
詳しい勉強法
〇数学はどんな問題でも典型問題がベースになるので、まずは教科書レベルの基礎力を身に付ける
〇ミスをしたら、解法のどの部分で間違ったのか、その都度分析して補強をする
〇数学がどうしても苦手な場合は、「丸覚え」から着手する
〇問題を解く順番を考える練習を積む
理科
おすすめの参考書
『鉄緑化委東大物理(化学)問題集』(KADOKAWA)
詳しい解説と共に類題が付いており非常に良い参考書です。また、最後には重要事項や基本事項をまとめたものなどもついていて使いやすいのでおすすめです。
『化学重要問題集』(数研出版)
網羅性が高く、かつ重要なエッセンスが抜き出された標準問題集です。共通テスト対策にも最適です。
『理系大学受験 化学の新演習』(三省堂)
上記の重要問題集の次のステップに最適です。難易度が3段階で表示されて入れ、簡単なものから順に進めていくと、着実に理解を深められます
『理系大学受験 化学の新研究』(三省堂)
詳しい参考書なので解説を読んでも分からなかったときなどに、辞書として使うのがおすすめです。
『名問の森』シリーズ(河合出版)
実際に入試で出た「良問」を集めて、さらに磨きをかけた上級者向け問題集です。問題のレベルは高いですが、説明が分かりやすく、理解が促されます。
『プラグマティック化学』(河合出版)
日常生活の意外な場所にひそむ化学を知り、理解することができます。受験参考書としてももちろん非常に優秀で、どこからでも読めるのが大きな利点です。さらに化学自体を楽しめるようにもなります。何の学問であれ、感動し面白いと思うことは大きな学習の原動力になりますよね。
詳しい勉強法
〇理科の各科目も教科書・資料集レベルの知識がベースになる
〇化学は複雑な事象でも「図式化」することで捉えやすくなる
〇暗記の少ない物理は、各公式の本質まで考えることで理解が深まる
〇生物の暗記は概念をつかむことで覚えやすくなる
社会
おすすめの参考書
『日本日B一問一答』(ナガセ)
日本史の重要単語の復習に最適なものです。
『大学入学共通テスト 地理Bの点数が面白いほどとれる本』(KADOKAWA)
共通テストで地理を使う人には有効です。うまくまとめられているため効率よく勉強ができます。
『新詳 資料地理研究』(帝国書院)
二次試験で地理を使う人向け、かなり詳しい説明がなされています。
詳しい勉強法
〇覚えづらい年号はとにかくアウトプットの機会を増やして定着させる
〇日本史・世界史は教科書で流れをざっくりつかむのが基本
〇東大二次試験の社会科目は、端的に内容をまとめる能力が求められる
【参考】効率の悪いダメな勉強法
言われたことを何となく勉強している
単に予備校や塾に通っているだけで「勉強した気になっている」人は要注意です。大事なのは「目的意識」です。その時点で自分ができること、出来ないことを明確化し、「ここをもっと伸ばす」「この弱点を改善する」と、目的をもって一つひとつの課題をもなしていくことです。「やらされる」勉強ならやらないほうがましです。
参考書を三冊も買い込む(問題のみの問題集はこの考えに含まない)
「参考書コレクター」も危険です。どんな参考書でも、書いてある内容に大きな差はありません。たくさん買い込んでも情報が重複するばかりで読む時間が無駄です。買って満足して解かないとさらに無駄。参考書は多くても3冊までに絞り込み、何周も使い込むのが良い方法です。
同じ問題集だけ何回もやる
基礎基本を定着させるレベルであれば繰り返すことは大事になります。しかし「完璧にするため」という理由であれば無駄と言えます。試験には全く同じ問題が出ることはありません。問われている知識・技能は同じでも見た目が違います。見た目が違うと受ける印象も異なります。演習の時期になったら、日頃から未知の問題に触れられるように多くの問題集で対策していきましょう。(参考書は1冊を何度も)
勉強時間ばかり気にする
「今日は何時間勉強した」「睡眠時間を削って勉強に充てた」など時間をかけること=猛勉強だと思うのは間違いです。時間をかけても中身が伴っていなければ意味がありません。勉強=時間×質と言われるように、パフォーマンスが落ちるであろう睡眠を削るとかは全くの無駄です。
やたらとキレイなノートを作る
東大生のノートは美しい・・・と言われることもありますが、「キレイに丁寧に書こう」という目的でノートを作るのは良くありません。字の丁寧さ・色ペン・レイアウトなどなどにエネルギーを使っても学力は伸びません。ノートはキレイに作り込むより、何度も読み込む方が重要です。あとで自分が見返して読める・理解できるノートづくりが正しい勉強法です。
「絶対に受かる・伸びる勉強法がある」と思っている
勉強法は人の性格の分だけ数があります。これだけをやれば絶対に受かるというものはありません。人によって合うもの合わないものがあり、それらを絶えず工夫しながら探していくことが勉強法です。勝負の世界に「必勝法」がないのは、スポーツも勉強もギャンブルも何でも同じです。
一つのやり方を正解だと思い込まずに、いろいろなやり方を「知り」、自分に合うもの・役立つものを「選択」してください。
まとめ
◯目的意識のない勉強は身にならない
◯参考書コレクター・ノート職人になるのは非効率的
◯中身を伴わない長時間勉強は意味がない
◯「これをやれば受かる!」という確実な方法はないということを心得る
ここまで読んでいただきありがとうございました。浪人生だろうと現役生だろうと第一志望大学に合格して実りのある4年間を送ってもらいたいです。この記事がそのために少しでもお役に立てれば幸いです。
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