高校受験を考えたときに「平均点」と「倍率」は重要な目安となります。この先、志望校をどう決めればいいか迷っている中学生・保護者の方に少しでも参考のデータとなるようにまとめました。
特に茨城県高校入試は、ここ数年「入試の変化」が起こっています。最新の情報や今後の予想を立てながら準備を進めなければなりません。この記事を読み、今後の受験作戦や勉強の参考にしていただければと思います。
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2023年度入試の平均点は?
ほぼ全教科が記号問題となった2022年度入試と比べると平均点が少し上がりましたね。国語に関しては条件付きの記述とはいえ、記述が復活したことで平均点が下がっています。
しかしその他の教科は、2022年度入試に比べると平均点があがっていますね。記号だけではなくなりましたが、問題レベルが基本的なものになっていたためだと思われます。
過去12年分の各教科平均点と5教科合計の平均点推移です。
科目 | R5 | R4 | R3 | R2 | R1 | H30 | H29 | H28 | H27 | H26 | H25 | H24 |
国語 | 69.94 | 78.05 | 63.63 | 59.23 | 58.56 | 59.06 | 63.67 | 66.89 | 69.88 | 62.81 | 64.9 | 60.63 |
社会 | 63.87 | 61.48 | 56.18 | 57.35 | 55.25 | 58.99 | 65.05 | 59.37 | 53.44 | 59.44 | 54.92 | 59.46 |
数学 | 48.05 | 46.55 | 39.69 | 52.44 | 49.33 | 51.44 | 54.06 | 48.85 | 55.41 | 53.71 | 55.9 | 52.02 |
理科 | 57.29 | 49.86 | 54.66 | 58.94 | 51.67 | 60.84 | 53.82 | 50.75 | 56.08 | 56.02 | 56.33 | 57.44 |
英語 | 50.82 | 50.26 | 53.37 | 56.2 | 53.12 | 57.11 | 52.39 | 55.24 | 55.18 | 61.19 | 50.64 | 61.67 |
合計 | 289.98 | 286.2 | 267.56 | 284.16 | 267.94 | 287.44 | 288.99 | 281.1 | 289.99 | 293.17 | 282.69 | 291.22 |
今年の高校1年生(2023年度入試)は、「以前の入試に少し戻った」テストとなりました。
2022年度入試は県立高校入試の「採点ミス」対策により記号だらけの問題でした。これには高校関係者や塾関係者がかなり驚きました。
しかし入試問題として大きな波紋を呼び、大方の予想通り「記述もさせる以前の入試」に少し戻りました。2024年度入試も2023年度と同様の問題形式であることが予想されます。対策としては2023年度入試を念頭に問題演習をすることが重要となります。
国語(69.94点)
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fa8c7e00e6d24d0e04869eba94627115 726a1c710781f1fdae5b1b630b185de2何といっても「200字以内の作文問題」が無くなった事ですね。2021年度入試まで、しばらくの期間で作文問題が出題されていました。しかし2022年度の「記号だらけ入試」で作文が消え、「23年度は従来に少し戻るかな」と大方の塾や中学校が予想していましたが、作文問題の復活はありませんでした。
記述問題の復活と言っても「最大で20文字」の記述問題しかありませんでした。さらにどの問題も答えが一つに確定できるような記述問題でしたので、本文中からの抜き出し問題に近いです。
中学生にとって苦手意識のある記述問題だと思いますが、基本は「本文中からの抜き出し」ですので、積極的に書く(答えを埋める)ことをおすすめします。
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社会(63.87点)
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3a54cb13eae1e9a384f7500709f27929※著作権の都合上、解答のみ掲載します。
資料系の問題がとても多いです。基礎用語の丸暗記ではなかなか答えられない問題もあります。教科書や資料集などをしっかりと理解して、「なんでそのデータになるのか」「その資料にどんな意味があるのか」までを確認しておくことが大事です。
記述系の問題はほとんど出ないと予想できるので、選択肢に惑わされない・選択肢から答えを逆算できる様な練習も効果的です。
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数学(48.05点)
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d73e64d198a5ff2a8b05372022bfd6f7 88e8c6b5fe146c63347c6e5296fc6372 数学は出る分野がだいたい予想されやすいです。過去問題を見て、どの様な分野の出題が多いか確認していきましょう。基本的には「計算問題・方程式・データ・確立・グラフ・図形」が中心となります。そして取りに行く問題(絶対答えられる問題)を少しずつ増やしていきましょう。
いきなり全部をやろうとするのではなく、志望校の合格最低点に届くためにはどの問題を解けばその点数になるのかを最優先で考えて、勉強する分野を決めていくことがおすすめです。また、ある程度文章を読む力も大切です。国語力を伸ばすことも効果的だと言えます。
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理科(57.29点)
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9659799d850172d516bc9512b5ba9786 0e508b8c51c592044af1b4a0070f2262 ほとんどの問題が実験の手順や結果をもとにしたものとなっています。社会と同じ様に「ただの知識の暗記」では対応できない様になっています。その知識のもとになる実験の流れや過程、「なぜその様な結果が出るのか・原因はなにか」というように、実験をもとにして「暗記ではなく理解」を中心とした学習が効果的です。
また、数学以上に「読む文章量」がとても多くなっているのが最近の傾向です。一問一答形式に慣れてしまうと対応ができませんので、文章を読んで、考えて、答えるという学習を心がけましょう。国語力を高めることが効果的です。読む訓練をしていきましょう。
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英語(50.82点)
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5f601bcb5517172fbe40d1d697dee82a 5177143dcdf937d27ce31af464bb793b※以下はリスニング問題の台本です。
86fc736b7d92e54de7ba70dfb7816c6b 会話文やWEBサイト、新聞記事などの文章問題が基本になります。発音や単語の意味などの問題は出題されませんので、過去問や類似の問題集でとにかく「文章と単語」に数多く触れましょう。
文章の要約や脱文の並べ替え、広告や記事を読んでいる会話文が主になっています。その状況のことを考えながら文章を読んでいけると、全てが分からなくても内容を補えるようになります。まずは暗記している単語の量を圧倒的に多くすることで、文意が捉えられるようになります。
英語を苦手としてしまうと進学した高校でとても苦労することとなります。いまや大学進学するのに「英検2級は当然」となっています。最低限2級を持っていないと受験すらできない大学もあります。英語の基礎を身につける「中学英語」はしっかりと学んでおきましょう。
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過去2年間の倍率の変化
まずは令和5年度入試(2023年度入試)と令和4年度入試(2022年度入試)の倍率を比べてみましょう。
茨城県は、偏差値の中位~上位高校の倍率が高め。
2023年度入試倍率
2022年度入試倍率
県南地区・水戸地区・県北地区・県西地区で倍率の高い高校は、毎年決まっています。
日立第一高校・水戸第一高校・水戸第二高校・水戸工業高校・水戸商業高校・桜ノ牧高校・緑岡高校・土浦第一高校・土浦第三高校・石岡第一高校・竜ケ崎第一高校・取手第一高校・牛久栄進高校・竹園高校・水海道第一高校あたりですね。
少子化の影響もあり、毎年受験者の数が減っています。そのほかの高校は倍率があまり上がっていません。(変化が少ない状況)
茨城県立2024年度入試に向けた予想と対策
2023年度入試はある意味従来の試験へと戻った入試になりました。それでもまだまだ「採点のしやすさ」を重視した試験にもなっています。試験自体のレベルはほとんど毎年変わっていません。2024年の予想は「2023年度入試と同様の出題形式」と言えるでしょう。
国語であれば、
とうように上記のような形で、採点ミスが少なくなる工夫が継続されると思います。
もちろんこのような問題は今までも出題されているので、過去問題を参考に演習することが大事です。
英語や社会の記述問題も同じように「採点がしやすい記述問題」が引き続き出題されると予想できます。
上記の各教科の分析を参考に、過去問題を中心として対策を行えば十分高得点を狙えるようになります。現時点で200点ぐらいの人でも300点以上に成長できます。茨城県のボリュームゾーンが250-310点なので、志望校のレベルに合わせて
・点数の差を分析する。
・その点数を埋めるため、各教科で何点あげればいいかを分析する。
・その教科で、その点数を上げるためには、どんな勉強・どこを勉強すればいいか計画する。
・実際にその分野の暗記・練習問題などを解いて身に付ける。
を繰り返します。過去問や実力試験を行うごとに上記のことを繰り返していけば、出来ないところが1つずつ埋まっていき、着実に点数が伸びていきます。
今後に向けて(県立受験対策)
まずは「過去問」を中心に勉強することをお勧めします。
令和4年度入試は記述問題が無くなり記号中心の問題となりましたが、令和5年度入試は記述が少なからず出てくるものとして対策した方が安心です。
では、何を使えばいいのかというと「過去問」です。記述問題もありますし何より今まで出題されている「生きた問題ばかり」だからです。
今まで出題された問題って、また同じ問題は出ないんじゃないんですか?
過去問じゃなくて、ワークや塾のテキストをずっとやっていたんですが・・・
このように考えてしまう中学生はとても多くいます。
しかし、出題される問題は、全く同じではありませんが類似の問題が多くあります。
過去問の考え方として「効率化できる教材」というものがあります。
細かな各教科の学習方法は、以下の記事を参考にしてみてください。
いかがでしたか?
茨城県の倍率や県立入試の平均点を見てきましたが、知りたい情報はありましたか?
茨城の高校入試事情について、「こんなことが知りたい」というものがありましたら、お気軽にコメントをください。お待ちしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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