国公立大学・難関私立大学向け「小論文・志望理由書」対策【トレンド問題と出題予想】

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小論文のトレンド

まずは、結論です。

小論文のトレンド

・コロナ関係(withコロナ)
➡コロナはグローバル化を断絶した。コロナは前向きな変化をもたらした。

・AI・ロボと関係
➡「AIデジタル」や「ビッグデータ」による情報の使い方。

・民主主義のあり方
➡ジェンダーやヤングケアラーなどから、すべての格差問題へ。

コロナ関係

2年目に入った【コロナ関連】の出題

➡︎21年度は学校推薦型や総合型に多かった。「コロナとグローバル社会」や「日常生活の深部に及ぶもの」は多くない。【コロナの影響が生活に与えるものとは?】のような出題が多い。

理由:9月の作問時期と11月の受験時期のズレがあるので、あまり深くならない。大学側も先が読めない。新聞記事も9月頃の記事までしか使えない。

 23年度入試は「ウィズコロナ」や「危機感の希薄化」があるので、過去の問題点を集約した「まとめ(コロナとはどんなものだったのか)」みたいな問題が出されるだろう。それ以降は収束すれば、出題はなくなっていく。

コロナ関連の小論文の対策

・コロナはグローバル化を断ち切った。
・国同士のつながりがなくなった。

コロナ関係とグローバル化の問題が出題されたら、以下の視点で論じてみましょう。

・コロナはグローバル化の機能を断ち切った。コロナ感染症は、グローバルと切っても切れない感染症。なぜなら、感染しないとウイルスは生きていけない。=感染症対策は、人と人の関係を一回断ち切ることが必要。=グローバルという機能を断絶したコロナ。

・コロナが大きな変化を起こしたのではない。コロナは、平時における変化していた問題(働き方や人とのつながり、国際化)が目に見える形にしてくれただけ。意識されてこなかったものが、意識させるようにしたのがコロナの社会への変化。

➡︎「境界」というものの不自然性・非機能性(コロナが浮き彫りにさせた)、各国の都合によってグローバルを分断した。国境によって区切られた個別の対策。国境が世界を分断するものであることを、改めて意識させた。

➡︎ボーダーレスな脅威に対して、ボーダフルな対応をした。境界線が顕になったが、国際法は役に立たなかった。国境は閉鎖され、人や物の流通が妨げられた。

➡︎国民国家が独立して自国の事情に応じたバラバラな対応をする。=グローバル化の時代に世界隔離の構造が浮き彫りに。
➡︎世界をまとめあげる、国際機関が存在しないことも浮き彫りに。今回はウイルスなのでWHOがその役割になるはずだが、機能していなかった。

※今で言うとロシアのウクライナ戦争も同じ状況。国連が束ねなければならないのに機能していない。
(ただし、ウクライナ戦争に直接関わる出題はない。先が見えない・生の政治に関わる出題はほとんど出ていない。国境に関わる出題はありそう。)

※環境問題も同じ。

コロナが社会に与えた影響に関する出題の解答パターン

・想像力が足りないと言う避難。(感染症対策をしていない人)
・政府の事業推進やメディアのあり方で、正しい情報が伝えられていない状況。

➡︎なぜそのような行動を取ったのかと言う方の想像力の欠如もある。(外に出たのは、家庭内暴力で家に居られないなど)
➡単純な想像力の欠如では済まされない、想像力の欠如だけで論を終わらす危険性がある。

コロナ問題は私たちの社会を見直し、転換するいい契機となる考え方コロナを前向きに考えていく論を書く。

(例)中国の大気汚染(工場問題)が劇的に改善された。
(例)在宅ワーク・働き方が大きく変わった。コロナ後も在宅ワークを続ける企業も多い。オフィスも縮小傾向にある。そこから住まいの問題も出てきている。在宅ワークをしやすい住まい・建築。

※政府も2013年に在宅ワークの数を増加させると宣言し、コロナがその契機となっている。

コロナによる影響をデータで考えさせる出題の増加

➡︎特にテレワークが多い。(この形式の問題がとても難しい)

➡︎さらにジェンダーとか変わらせるものが増えている。女性の活躍。ジェンダー関連は必須と言える。テレワークで主に男性が在宅になる、家事育児との両立や女性から見た在宅ワークについての出題が多い。

➡︎他には外食産業がコロナでどれくらい利益を挙げているのか。訪日外国人の旅行者数・消費額なども。

AI・ロボット関係

AI vs 人間 から 「AIデジタル」へ変化

今までとフェーズが変わって出題がされてきた。

2017年からAIが一気に増えた。近年は多岐に渡る内容となっている。

はじめは仕事が奪われるという「格差」問題だった。
「人間にしかできないことは何か」、「AIの弱みは人間の強み」という視点。数年前までは、AIに負けないために人間はどう対処するかという「AI vs 人間」であった。

AIを含めた新しいデジタル環境が私たちの生活の便利さや楽しみとともに、個人情報が可視の状態になる変化があった。

➡︎結果的に「AIデジタル」という新しいデジタル社会へ

例)Facebookの個人情報流出問題。性格診断アプリや選挙コンサルへ探されていた。8700万人。10万人の日本人がいたという。

AIの専門用語が多く出てくる。注もあるが知識として覚えておきたい。
そこでの問題点を小論文の中に取り入れるのがポイント。

「アーキテクチャ」(キーワード)

➡︎私たちが気づかないうちに、ある方向へ誘導・コントロールシステム・装置のこと

例)マックの椅子が固い=客の回転効率を上げるため。

  Amazonのレコメンドメール・広告など。「あなたにおすすめの〜・他のお客様は〜」

AIを媒介にして、ビッグデータを使い、アーキテクチャを用いて、利益を上げていく。

※IOT・ディープラーニング・エコーチェンバー・フィルターバブル・・・

個人情報(プライバシー)とビッグデータ

➡︎「日本人は科学と感情をごちゃ混ぜにしてしまう癖がある。」ヘルスデータ

プラットフォームビジネス(キーワード)

➡︎ネット上でさまざまな取引を行う場所。銀行ゲーム買い物全ての場所がプラットフォーム。ここでさまざまは利益を上げるビジネスのこと。有名どころは「GAFA」

レコメンドメールは、この時の登録情報・購入情報をビッグデータとし(名前や住所は伏せた状態でデータだけをクラウド上に集約するのがビッグデータ)、ビジネスに利用する。

➡︎これがアーキテクチャされているのではないかという危機感がある。顕著な例が中国。(一人一人がスマホを持っており、誰が何をしているかどこにいるかまで把握されている。)国家が全てを管理している。

自分の自由意志に基づいて検索閲覧しているつもりでも、いつの間にか規定された空間に誘導されている可能性もある。

➡︎楽しく便利な仕組みも、いつグローバル企業や国家によって人々の行動を監視し抑制するシステムに転換するかわからない。

知らない間に国家が全てとなり誘導される(アーキテクチャされる)可能性がある。これが良いのか悪いのかを考えさせる小論文が今後出されるだろう。

民主主義について

問い直される民主主義のあり方

「熟議」がキーワード。

熟議民主主義➡︎理性による考えや思い込みを反省し、吟味し、見直していくことを重視。

闘技民主主義➡︎感情や情念を汲み上げていくことを重視。

一般的には熟議民主主義だが、闘技民主主義の考え方も重要である。熟議は「社会とはこうあらねばならないという理念」が前面に出過ぎているという。

民主主義とジェンダー

➡︎国会議員における女性の少なさ。世界はクォーター制を取っているが日本は採用していない。

75年前は女性比率は8.4%で世界でも高かったが、いまは188国中165位となり、後進国となっている。

➡︎クォーター制にも種類があるので知識が必要。

押さえておくべき、出題されやすい作者

2022年度小論文で最も多い出題の著者  =  伊藤亜紗 さん
                     『利他とは何か?』『手の倫理』

「格差」をめぐる新しい視点の出題

➡︎ヤングケアラーをはじめ、日本は格差がどんどん進んでいる国である。
「ヤングケアラー」(18歳未満の子供が大人が担うような介護を高い負担を背負いながら行う)

【出題で多いパターン】
「能力主義」(社会的地位は努力と才能によるものだという意識)・「世帯格差」(共働きの同類婚。経済力と学歴が高い同士が結びつきやすい。片方が低いと結びつかない傾向がある。結果、格差が埋まらない。)について。

志望理由書について

高校2年生で「志望理由書」に取り組まないと先はない。(使う使わないは関係なく。)

➡︎2年生では限界があるが、限界水準で書けるようにする。

目的意識を上げることにつながり、志望理由書で目的がはっきりすると学力も向上するのは当然。

良い志望理由書のポイント

さとう
さとう

良い志望理由書のポイントは以下の通りです。

・その生徒でなければ書けない具体性(一言で言えば「経験」)がある。
➡︎自分で調べたこと、経験したこと、取材したこと、単に綺麗にまとまっている一般論では響かない。
・大学での学びを社会でどう活かしていくかが書いてある。
➡︎それを実現するために高校でどのようなことをやってきたか?(ここが欠けている人が多い。大学に依存している人が多いので残念)探求活動が志望理由書に反映されない高校が多い。
・経験は高校におけるものであることが基本となっている。
・学部学科の特徴を書くことがメインとなっていない。
➡︎パンフやHPに記述をなぞるケースが多い。大学を褒めることが重要ではない。大学に関する記述をいかに減らしていくかが重要。大学に関する記述が多いほど、面接の質問が少なくなり自分というモノを知ってもらえなくなる。
進路が明確で記述に具体性が多い。漠然と曖昧な記述は一般論となり質問されにくくなる。
※志望理由書は【面接】と切っても切り離せません。面接を意識して書いていきます。
さとう
さとう

対策としては以下のポイントを押さえると、書きやすくなります!

・学校の外に視野を広げる。(フェアではないが、経験している生徒が勝つ仕組み)
・高校生は、今自分が知っている範囲の仕事や職業の価値観で考えてしまうので価値観を広げる。
・将来に向けて幅広く視野を広げるための体験をする。
・学校の外に出て仕事をしている大人の話を聞く。
質問する力をつける
・日常的に感じたり、思っているのとは違う視点でモノを見る体験を積む。
・自己実現ではなく、社会で何を担うのかがメイン。

まとめ

Summary word from wooden blocks on desk

いかがでしたか?

これから学校推薦型選抜や総合型選抜で大学受験を考えている方は、絶対に必要となってくる「小論文と志望理由書」。

小論文のトレンド

・コロナ関係(withコロナ)
➡コロナはグローバル化を断絶した。コロナは前向きな変化をもたらした。

・AI・ロボと関係
➡「AIデジタル」や「ビッグデータ」による情報の使い方。

・民主主義のあり方
➡ジェンダーやヤングケアラーなどから、すべての格差問題へ。

そして、面接試験の時の最重要資料である「志望理由書」については、「独自性・具体性・社会性」の3つが大事です。

いきなり書こうと思って書いても、いい志望理由書には絶対になりません。早め早めの対策と準備(経験)をしていた人が勝ち(合格し)ます。

この記事が皆さん(保護者の方)のお役に立てば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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