合格できる志望理由書の見本【学部別参考例で完成〜文系編〜】

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大学入試について

近年、総合型選抜や学校推薦型選抜での入学者が急速に増えています。そんな中、必須になってくるのが「志望理由書」の提出ですね。

今回は「志望理由書の見本が知りたい」「志望理由書の書き方が分からない。」「何を書けば評価が高くなるのか分からない。」「高校の先生に直されたけど、ここからどうすればいいか分からない。」という人に向けて、学部別の志望理由書をまとめてみました。是非参考にして、自分オリジナルの志望理由書を完成させてください。

※各志望理由はあくまで参考例です。まだまだ具体化出来たり、良い表現に直したりすることができます。書き始めから終わりまでの流れを参考にする程度で、これだけでは完成になりませんので、ご注意ください。

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文学(文学を通して、どのように社会貢献したいのかを述べる)

私の遊び場は本の中だった。それが高じ、絵本作家になりたいという目標を持っている。その基礎となる児童文学研究を進める場として、○○大学文学部日本文学科 を志望した。そして、将来は自らの児童文学作品を通して、子どもの健全な成長の支えになりたい。

文学専攻を考えたのは、幼稚園の頃から愛読している中川李枝子・山脇百合子著の 『ぐりとぐら』との出会いがあったからだ。 たまごが大きすぎて運べないから、この場でカステラを作ろうとする2匹の行動に、チャレンジ精神や実行力、柔軟な思考を垣間見る。また、文字数を統一して展開することによって、 テンポのよさが生まれる。 リズミカルな文章、 読み手の気持ちをほぐす配慮、メリハリのあるストーリー展開、これらはすべて子どもたちに向けた気配りであったのだ。読み手は閉ざされた環境下にいる自分を解放し、別の世界を垣間見ることを求め、 読書を楽しむ。 私は、読み手に文学の奥深さや楽しさを伝えるだけでなく、その時代が求める子ども像を念頭に置き、子どもを健全に育むための作品を世に送り出せる作家として成長したい。

 そのためには、現代の児童文学が描かれた背景や作者の心情、生活を知るとともに、 時代に応じた技巧の変化や児童心理を学ぶ必要がある。 その実現のため、○○大学文 学部日本文学科での学びが不可欠である。 文芸コースでは、○○教授が専門としてい る児童文学のゼミナールで教えを乞えるだけでなく、 プロットや表現方法を作品に活かすカリキュラムが体系的に組まれていることが魅力的だ。また、 必修科目にて日本文学に関する基礎事項を学べるだけでなく、他学部履修制度により児童心理学も学ぶことが可能 3である。

 これらの環境のもと、子ども、そして大人になっても心に残る絵本を著すための根を育てていきたいと思う。これが、私が○○大学文学部日本文学科を志望した理由である。

さとう
さとう

はじめに目標を述べるパターンですね。そして自分の経験から、「文学が子どもの教育に役立つ」意義を述べています。「文学が好きだから」だけになっていないので高評価です。


心理学(基礎心理学系・臨床心理学系のいずれを究めたいのか考える)

学校には、何らかの問題を抱え、学校に通うことができずに苦しんでいる生徒が多くいるといわれている。 現在、スクールカウンセラーが学校に派遣されるようになったが、まだ十分ではない。私は、学校心理学を専攻して学校現場のカウンセリングの体制について研究し、心に問題を抱えている生徒の役に立ちたいと考えている。 私は以前、学校に通えず、スクールカウンセラーに相談をしたことがある。最初のうちはカウンセラーと話ができなかったが、 少しずつ思いを伝えられるようになり、登校できるようになった。 それは、専門的なカウンセリングが効果を発揮したからだと考えている。 傾聴を通して私との間に信頼関係を築いたり、コラージュ療法を用いて心の安定を図ったりしたのは典型例だ。しかし、 学校の先生方とカウンセラーの連携には問題があったと考える。なぜならば、私が再登校した時、学校の先生方が対処に戸惑っていることを肌で感じたからだ。 

厳しい環境で心に傷を負った時の心理学的支援は欠かせない。 そしてさらに重要なのは、学校現場に関わる人々が、心理学的な根拠をもとにして、再登校する生徒をどのように迎え入れるかということではないか。 こうした体制を整えるためには、学校心理学をもとにしたシステム作りとともに、 カウンセラーと学校の先生が心理学的知見を共有することが必要だ。 ○○大学教育学 部臨床心理学科は、基礎心理学の領域を万遍なく学べるカリキュラムを備えるとともに、その集大成として心理学実験演習で実証的な方法論を習得できる。そして、心理学を教育現場で活かす研究体制も充実している。 たとえば、 スクールカウンセリング 研究を実践している △△教授のもとで、理想的な支援体制を築くための教えを乞うことができることは、私にとって大きな魅力である。

将来、スクールカウンセラーとして活躍し、心に問題を抱える生徒を支えるとともに、現場の先生方とカウンセリ ング体制のモデル作りを積極的に行っていきたいと考えている。

さとう
さとう

社会的な課題を明確にして書いていますね。少し小論文っぽくもなっていますが、そこから学びたいこと・そのために気学が必要であることをしっかりとかけています。


外国語学・国際学(「語学を身に付けたい」だけでは終わらせないことが重要)

現代ではグローバル化が叫ばれ、公用語として英語を用いての対話を求められる場面が増えつつある。 そして、その対話には異文化理解が不可欠だと考える。したがって私は、英語圏に進出する人々に役立つ異文化理解プログラムを考え、構築する研究を進めたい 。

私の通う高校では、ニュージーランドでの語学研修が行われる。 私は研修の間、外国語学校に通い、英語を使って話をしていた。しかし、異文化理解という視点で振り 返ると、必ずしも適切な対話ができていたわけではない。 たとえば、私たち日本人は はっきりとした意思表示に抵抗感を覚える文化を持つゆえに、明確に断らずに態度で示そうとするが、 ニュージーランド人やアメリカ人はそうした曖昧な態度を嫌う傾向にある。 彼らにははっきりと断らずに態度で示そうとしていた私の意図は理解してもらえず、私は一方的に強い口調で主張する彼らに戸惑いを覚えた。 

英語による対話は技術だけでは成り立たない。 互いの価値観や文化を理解することが不可欠なのである。 それが不十分だとカルチャーショックを受け、偏見を抱くことになる。 私は、互いに健全な関係を保ちながら英語による対話を行う、異文化理解プログラムを開発する必要があると考える。これらのことは、ビジネスの場面はもちろん、紛争や対立の防止にも役立つのではないか。 

そのための学びができるのは、○○大学外国語学部英語学科である。 ここは英語習得だけでなく、英語圏の国々の地域文化を総合的に学べるカリキュラムを有している。 また、異文化理解プログラムを高校教育の現場で実践する△△教授から学べることは非常に心強い。 異文化理解と語学習得が両立でき、 異文化理解プログラムの構築も 推進できる貴学は理想的な場なのである。 最近は、グローバル化とともに共生社会の必要性が論じられている。 共生社会を築く担い手として活躍するために、私はじっくりと貴学で力を蓄えたいと考えている。

さとう
さとう

よくありがちな「英語を勉強したい・異文化交流したい」ではなく、「人に役立つプログラムを作りたい」と、社会貢献できる内容になっているので高評価です。
さらに自分なりのコミュニケーションの考え・意見も述べています。


 

教育学(「教員になりたい」ではなく「何を研究したいのか」を考える)

 文章を深く理解する力は、これから社会に進出する上で非常に大切だといわれている。私は、生徒がいかに文章を理解する喜びを得られるか、国語教育の方法を大学で研究し、実践していきたいと考えている。 

 国語の教え方について考えるきっかけとなったのは、中学校の時の国語の先生との出会いである。 「よい先生との出会いが勉強の意欲を生む」といわれるが、それは先生の指導に魅力を感じるからに他ならない。 その先生は授業で、 様々な教科をまたいだ作品の解説をしてくれた。 社会の授業で学んだ源平の戦いが、 古典の文章の中で具体的にイメージできた衝撃は今でも忘れられない。 だが、こうした授業に出会える機会は少ない。 それは、国語の題材が他教科との関連を意識したものではなかったのが一因ではないかと考えている。 そもそも、 文章の深い理解は、 背景への強い関心から生まれるものだ。 他教科のカリキュラムや授業内容を理解し、取り扱う教材の順序を考えながら国語の授業を展開する。 こうした取り組みは、 国語への関心を生むだけでなく他教科への興味を抱かせ、読解力向上の手がかりとなるのではないか。

 そのためには、国語の教授法の研究を行うとともに、 複数の教科と連携した教科指導を考える場が必要だ。 ○○大学教育学部での学びが魅力的なのは、この両方が行えるところである。 そして国語科教育の専門家である△△教授をはじめとして、基礎から実践に至るまで、 体系的なカリキュラムが組まれている。 さらに、 □□教授の教育方法のゼミナールは専攻する教科に関係なく、教授法や教育課程についての議論が行われている点も魅力的だ。 私の目指す 「他教科との関わりを意識した国語教育」を研究する場として、貴学は最もふさわしいと考えている。

 貴学を卒業したあかつきには、国語教員として文章を理解する喜びを生徒に理解してもらえるよう、精一杯の努力を重ねていきたいと考えている。

さとう
さとう

「こういう出会いがあって教員になりたい」ではなく、自分なりの課題点を挙げ、「解決するための研究を貴学でしたい」という流れになってますね。

幼児教育学・保育学(「幼稚園教諭(保育士)になりたい」だけでは終わらせないこと)

 私は、大切な子どもたちを健全に育てる専門家になりたい。そのために、様々な物事に疑問を持ち、 自発的に考える力を備えた子どもを育てる方法を大学で研究したい。 

 幼児教育に興味を持ち始めたのは、私が小さい頃に通っていた幼稚園の先生との出会いと、 高校生の時の保育ボランティア経験による。 ボランティアに行った時、最も興味深かったのは、工作の時間のことであった。 園児はその工作の時間中、様々な試行錯誤を繰り返していた。 大きな画用紙に、折り紙を大きくちぎって貼りつけたかったのに、貼りつけてみてはじめて小さくちぎってしまったことに気づいたり、青色の絵の具の上に黄色を塗ると緑色になったりすることを、 作業の中で理解していた。 このような気づきを経て、園児は自分のイメージするものを作り上げていくのだ。 幼稚園の先生は、それらの気づきを与えるために、そっと声掛けをする。 「大きく貼るにはどうすればいいかな」と考えさせたり、「緑色になるのはおもしろいよね」と楽しさを共有したりする。 こうした役割に徹し、子どもの創作活動を支援することは、子どもに物事を考えさせ、意欲を高めさせることに役立つ。 このような支援のあり方を考えることは、自主性や想像力を養い、子どもを健全に育成するためには不可欠なこと考える 。

 こうした教育法を考え、実践するためには、 幼稚園や保育所の事例研究を進める環境が必要だ。 その場として、○○大学幼児教育学部幼児教育学科が最もふさわしいと考える。それは、幼児教育の基礎から実践的な指導法まで、段階を追って学習できるカリキュラムがあるからだ。 また、保育の支援や身体表現を研究課題としている△△教授がおり、 効果的な教育法について指導が受けられることも、魅力と感じている。

 私にとって幼児教育の専門家は、子どもや保護者の支えになるという社会的役割もある。 将来はこれらの役割も果たす専門家として活躍できるよう、毎日努力し頑張っていきたい。

さとう
さとう

よくある「子どもが好き」を一度も使っていないのに、「子どもが好き」という内容が伝わってきますよね。さらに子どもだけではなく、保護者の支えにもなりたいということまで言えています。

法律学(「どういう法律の研究をどのようにしたいのか」明らかにする)

 人は誰もが安全に生活したいと願っている。 私は、犯罪と刑罰に関する法がよりよい方向に変化しつつあることを、高校の公民科の授業で学んだ。 私は、法による犯罪抑止効果について研究し、将来は人々の安全を守る担い手として活躍したいと考えている。 

 私が公民科の授業で学んだことは、法の不完全さとその改善の必要性であった。 今までは加害者の人権を保障することに重点が置かれたり、 既存の刑事法での解釈では取り締まりができなかったりする事態が起こっていた。 そうした問題を解決するため、新たな法律の制定が検討され始めたのである。 たとえば2000年に制定されたストーカー規制法は、ストーカーに対して軽犯罪法違反でしか取り締まりができなかった状況で殺人事件が起こった事態を重く受け止めて、制定されたものである。 刑事法は加害者の量刑を定める役割を担う一方で、 未然に犯罪を防ぐこともできる。 ただし、 立法する時には人身の自由との兼ね合いを検討する必要がある。 日々変化する犯罪に 対応するために、どのような法を制定し、また、法をどのように用いて解釈すべきかを考えていくことは、必ず安全な生活を営む糧となる。そして、人々の生活の質を高めるためには欠かせないものとなるだろう。 

 そのためには、刑事法を取り巻く問題を探り、法の運用や立法の方法について研究するための学びが欠かせない。 ○○大学法学部法律学科は、 刑事法研究が盛んであることが魅力だ。刑事法や刑事政策の基礎を段階的に学ぶことができるだけでなく、 現代社会の問題と法律学との関係を論じる特別講義が充実している。 また、刑事法を専門としているゼミナールがあり、そこでは日常生活を脅かす犯罪に対してどのように刑事法を運用すべきか考えられる。

 私は将来、警察や検察という立場で犯罪を防いだり、政策を立案する立場から人々の安全な生活を考えたりする役割を担いたい。 そして、より平和な社会を築く担い手として、貢献できる人材を目指していきたい。 

さとう
さとう

身近な体験をすることが難しい「法」に関してを「学校の授業」体験を具体的なきっかけに持ってきています。このようにオリジナル体験でなくても「そこで何を考えたか」を深めることで、オリジナリティーを出すこともできます。

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