総合型選抜・学校推薦型選抜で受かるための志望理由書の準備と実際の書き方

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大学入試について

近年、総合型選抜や学校推薦型選抜で大学へ進学する人が多くいます。しかし、実際に準備をし始めると「志望理由」の書く内容でつまずいてしまう人も多いと思います。

さとう
さとう

志望理由書をどうやって書けばいいですか?」「大学を志望する理由って何?」「理由の答えが思いつきません。。。」という相談は毎年かなりの受験生からあります。

大人の就活・転職活動でも面接や志望動機というのは難しいです。

この記事を読めば、合格するためには、どのような方向で進めればいいのかのヒントが分かると思います。

この記事で分かること

総合型選抜や学校推薦型選抜で受かるために必要な「志望理由」の書き方と準備する内容

総合型・推薦型の受験生に対して、必須である「志望理由」の方向性を一緒に確認していきましょう。以下の項目から知りたい内容をクリックしてください。

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志望理由書の考え方とは

国公立・難関私大の志望理由書

志望理由書とは・・・

なぜその大学・学部を選んだのかを説明する文章です。大学は世の中で解明されていないことを明らかにする研究機関です。多くの教授は研究者であり、研究の成果を上げるとともに後進を育てるという役目もあります。大学側は育てたい学生がほしく、かつ、自分自身で研究活動ができそうな人を入学させたいと思っています。

➡「私はこういう研究がしたい。だから、この大学・学部を志望した。」ということを書けばいいのです。研究テーマを絞って、その研究がその大学でやれるということを示しましょう。

〈注意〉
・整合性があるように、つながりを意識しましょう。職業と研究がぶれないよう、一本の筋が通るように書きます。
・具体的に書き、踏み込んだ質問をされないように書いていきます。曖昧・抽象では相手に伝わりません。
・面接を意識して書くようにしましょう。こう書いたらこんな質問が来るだろうなと想像してください。



担任との面談をしっかりと行うこと。他者と対話をしながら書きます。

将来の目標はなんなのか、その仕事について深い知識はあるのか。仕事の社会的意義は。自分は何ができるのか。仕事の魅力は。本質は。どうやったらなれるのか。何でなりたいのか、選んだのか。などを細かく話してください。


志望理由書作成のための下準備(書き始める前にやることがあります)

【まずは将来の職・仕事を決めて、その職・仕事についての深い知識や理由を考える】 

その仕事の社会的な役割は何か。仕事の内容は。
・どうやったらなれるのか。
なぜやりたいのか
・自分自身はどのように仕事に取り組みたいのか
・その仕事に就くためには、どのような学問を研究すればよいのか

具体的に、細かく考えていくことが大切です。



②【目標達成のための大学(学び)見つける、志望大学が決まったら(決まっていたら)大学研究をする】

学ぶべき学問分野は何か。学びたい学問分野を徹底的に調べつくす!
・上記の学問は、どのような大学でなら研究できるのか。➡大学探し
・志望大学が決まっているのであれば、志望校のどんなところを利用して研究したいのか



③【その大学の教育の理念は何かを知る。】

アドミッションポリシーをしっかりと理解することが重要です。大学の研究を行い、その特徴や特質を押さえておくことで、マッチングにも利用できます。訪問したり、資料で調べたりしながら、大学への深い知識を得ておきましょう。教授や授業、取り組みなども参考に。

➡➡➡その大学の何をどのように利用して学び・研究していくのか身に付けたい力や能力をしっかりと明確にしておきましょう。



④【新聞・本・雑誌などで知識を多く蓄積させておく】 

その職のニュースや最新の情報などをまとめておく。(最低一年前から準備をする)

最終的には、研究内容が社会(他者)に役立つからと落とし込みたいので、社会の現状を知っておくことが大切です。

※面接でも大いに役立ちます。



⑤【その他】

漢字、言葉のつながり、文脈のつながり、具体性、論理的根拠、内容、マッチング、学びたいこと、を意識しましょう。

【文脈のつながり・論理性
例えば・・・言葉遊び⇨言葉の美しさ、面白さ⇨日本文化へつながる

【具体性・マッチング】
例えば・・・茨城大学で、交換留学生のチューターをやりたい。
➡人文社会学部の人間文化学科希望では、ズレが少しあるのではないか。英米文化学科ならマッチしているけど。



実際の志望理由書

※段落構成は実際の内容によって変化させていきます。

第1部 将来何をどうしたいのかを述べます。(研究分野と社会的課題など)

研究したいのかをはっきり述べます。

大学は研究機関です。「大学でこの研究をし、成果を職業に活かしたい。」と、大学の研究にも触れて意識が高いことをアピールします。学部学科で学んだ末に、どういったことを解き明かしたいのかをはっきりと述べましょう。

→進学する目的をはっきりさせます。「○○の職につきたいから、こういうことを学びたい」では弱いです。大学は職業訓練の場ではありません。

→「この研究が、このように社会(他者)の役に立つ」と落とし込みます。
※こうすることで自分の興味だけで選んでいないということになります。

社会的な背景などをここに持ってきても構いません。書き方は色々です。



第2部 その動機を述べます。

【研究を志す動機】が重要

問題発見・原因分析・問題解決の3つのステップを意識し、「自分のため」ではなく「社会のため」に研究するという意識を持ちましょう。
→体験を整理する。個人的体験から掘り下げていきます。その際に、体験談は長くなり過ぎないように注意します。(過去現在未来に整合性ができるように。)
※個人体験、出会い、1冊の本、映像、講演などが体験


 体験を通して「興味を持った」で終えてしまわないようにしましょう。何を思って志望理由をもつに至ったかを「掘り下げること」が必要です。

  • 「解決しなければならない問題は何か」「その時の課題はなんだったのか」などと問題発見を考えていきます。初めはパンフやコメントに注目し、社会について述べているところ、社会問題や人間について述べているところから「問題」を見つけていきます。
  • 問題が起こった原因は何か。原因分析
  • 大学での研究をどう行えば問題が解決できるのか。問題解決(自分なりの仮説と研究計画)

上記3つのポイントを抑えることで、前向きに大学で学ぼうとしていることをアピールします。

研究の重要性も伝えられます。

  自己実現の大切さよりも、社会に貢献する、役立つ意識を持ちましょう。



どのように社会貢献できるかとは?

社会的意義・・・目指す職業や成し遂げたい仕事は、社会においてどんな意義があるのか。
学びたいことは社会にとってどのような意義があるのか。
・具体的ビジョン・・・目指す職業に就き、やりたい仕事に取り組んで、何を実現したいのか。具体的にどのような計画で研究を進めたいのか。

 



第3部 その大学を選んだ理由を書きます。

志望大学ならではの魅力(志望理由である将来の夢や希望の実現に向けた、学ぶ場としての魅力)を述べていきます。志望理由の一番のポイントです。

【大学を選ぶ基準を作る】
→まずは研究を進めるために必要な知識は何か、どういう学問を修めるべきなのかを明らかにします。 →特にどういう専門性を身につける必要があるのかを考えます。
→そして研究の設備や指導してくださる先生の存在も欠かせません。

上記の流れで大学を絞り込む基準を作ります。

 【志望校を選んだ理由伝える】
大学のカリキュラムなどを参考にして、自分が望む学問が修められているのかをチェックします。(学問と志望校との相性)
環境が整っていることも確認します。(研究環境と志望校の相性、専門に研究する教授の存在)
自身が望む学びと志望校での学びが合っていることをしっかりと説明し「「○○大学へ進学しなければならない理由」(志望校への進学の必要)を訴えます。

初めは、「特定の先生や学べる内容、学部学科の特徴、設備、教員や卒業生のメッセージ、就職状況など」に注目してみましょう。




第4部 抱負を書きます。

再度、研究成果をどのように活かしたいのか、学び絵の姿勢をアピールして締めくくります。まとめの部分になります。

第4部はあまり長々と書くのではなく、結論を述べるだけになります。「○○職に就き、□□な課題を解決できる人間になるため、△△を学びたいから貴学を強く志望します。」などがテンプレートですね。

志望理由書の参考例

さとう
さとう

それでは上記のポイントを意識して書かれた志望理由書の例を見ていきましょう!

例➀ 外国語学部系の志望理由

 現代ではグローバル化が叫ばれ、公用語としての英語を用いての対話を求められる場面が増えつつある。そしてその対話には異文化理解が不可欠だと考える。 したがって私は、英語圏に進出する人々に役立つ異文化プログラムを考え、構築する研究を進めたいと考えている。

 私の通う高校では、ニュージーランドでの語学研修が行われる。私は研修の間、外国語学校に通い、英語を使って話をしていた。しかし、異文化理解という視点で振り返ると、必ずしも適切な会話ができていたわけではない。たとえば、私たち日本人は、はっきりとした意思表示に抵抗感を覚える文化を持つゆえに、明確に断らずに態度で示そうとするが、ニュージーランド人やアメリカ人はそうした曖昧な態度を嫌う傾向にある。彼らにははっきりと断らずに、態度で示そうとしていた私の意図は理解してもらえず、私は一方的に強い口調で主張する彼らに戸惑いを覚えた。

 英語による対話は技術だけでは成り立たない。互いの価値観や文化を理解することが不可欠なのである。それが不十分だとカルチャーショックを受け偏見を抱くこととなる。私は、互いに健全な関係を保ちながら英語による対話を行う、異文化理解プログラムを開発する必要があると考える。これらのことは、ビジネスの場面はもちろん、紛争や対立の防止にも役立つのではないか。

 そのための学びができるのが、○○大学外国語学部英米文化学科である。英語習得だけでなく英語圏の国々、地域文化を総合的に学べるカリキュラムを有している。異文化理解プログラムを高校教育の現場で実践する□□教授から学べることは非常に心強い。異文化理解と語学習得の両立ができ、異文化理解プログラムの構築も推進できる貴学は理想的な場なのである。最近は、グローバル化とともに共生社会の必要性が論じられている。共生社会を築く担い手として活躍するために私はじっくりと貴学で力を蓄えたいと考えている。

補足説明

・単に英語を学びたいから外国語学部と言ってしまうと社会とのつながりが見えないので、最終的には「異文化理解プログラム」で「日本人を含む全人類の役に立ちたい」と述べている。

自身の経験をもとに、対話だけでは異文化理解は難しいという結論を導き、「異文化理解のプログラムが必要」だとつなげている論理性・一貫性がある。

・大学とのマッチングを述べる際、その大学固有のカリキュラムや教授に注目し志願者に如何にふさわしいかを述べている。
注:大学での研究や施設、取り組み、オープンキャンパスでのことなど、もう少し具体的にした方が良いと思われます。

・最後のまとめ部分も、「異文化理解プログラム=共生社会」と言いかえ、再度自分のやりたい事と社会的な活躍を端的に述べている。


例② 看護学系の志望理由

 日本には難病を抱える子どもが多く存在し、長期入院を余儀なくされている。だが、これらの入院生活において十分なケアが行き届いているのは言い難い。彼らがより幸せに生活するための支援をするには、最も長い時間触れ合うことになる看護職のケアが鍵となる。私は小児看護学の学びを通して、病気で苦しむ入院中の子どもを支える方法を研究し、小児専門の看護師として活躍したい。

 そのように考えたのは、看護職に関わる親族から小児病棟の現状を聞き、その話をきっかけにして小児看護の現実を自ら調べたことが背景にある。最も大きな問題だと思ったのは、難病の小児患者の入院生活に制限が多いことだった。家族と触れ合う時間の少なさや治療の負担の大きさ、活動範囲の狭さなどにより、病棟の子どもたちは多くのストレスを抱えて生活している。そうした子どものストレスを解消する方法を考えるのが、小児看護研究の役割だと考えた。

たとえば、子どもへのインフォームドコンセントの検討や保護者のフォロー、子どもへの労いといった医療の側面だけでなく、ケアのなかに遊びの要素を取り入れるなど、子どもが生き抜く上で必要な環境を看護学の視点で整えることなどだ。完治が難しい病気を抱えた子どもであってもそうした看護師の全人的なケアは彼らが幸せに生きる手助けになるのだ。

小児看護に携わるためには、子どもの特徴を踏まえて観察する能力、子どもの権利を尊重した関わり方ができる能力、子どもが理解できる言葉での説明をする能力、安全を保つ気配りなどの必要ある。これらは、〇〇大学看護学部看護学科で学べる。

たとえば、小児看護学援助論や小児看護学活動論実習などを通して子ども特有の行動や心理、看護技術を総合的に学び、ケア研究に活かすことができる。

将来、看護師として医療現場に求められる能力が着実に身に付けられるのが貴学なのである。私は貴学で得た知識や技術を活用し、創造的な思考を巡らせながら、将来は小児医療の現場で活躍したい。

補足説明

看護学のどのような領域で、どのような研究をしていきたいのかを具体的に述べている。どういう患者を、どのような看護研究や医療衛生学研究ですくいたいのかを明確にしている。

専門とする領域で起こっている課題や問題点を探るように書いている。そこへの自分なりの意見と解決策、それを自信が解決するために必要なことまで述べている。

志望校で、看護学研究や学びをどう行っていくのかを論じている。ここは英語系と同じようにもっと具体化させたいところです。実際の大学を想定して決めていないので、カリキュラムや授業・教授について触れられないのですが、本来は具体的にしたいところです。

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