
奨学金の冊子を学校から貰ったけど、細かすぎてこんなの読めないし分からないよ。。。

う~ん、確かに冊子も色々あるし、小さい文字ばかりで読む気にならないわね。。。
読んで理解しなければならないんだろうけど、めんどくさい。。。

たしかに、この緑の冊子はとても分かりにくいですよね。
読むのは面倒だけれども、奨学金は申し込みたいので何とか理解したい人に向けて今回の記事を書きました。ぜひ最後までお読みください。
大学進学や専門学校進学を考える時に、「学費」がネックになってくるご家庭には「奨学金」を利用することをおススメします。
大学進学者の約49%、専門進学者の約42%が奨学金を利用しています。進学者の実に半数近くが奨学金を借りて学校に通っています。
まずは、日本で一番多く利用されている日本学生支援機構の奨学金のほかに、どのようなものがあるのか一覧にしました。
・国の奨学金=日本学生支援機構の奨学金
給付型(きゅうふがた)・・・お金がもらえる+返さなくていい
貸与型(たいよがた)・・・お金を借りる+利息無し(1種)or利息あり(2種)
・国のローン
・企業の奨学金 電通、トヨタ、キーエンス、コカ・コーラなど
・都道府県市町村の奨学金 例)島根県38種類 609人対象
・大学・短大・専門学校の奨学金
・企業の代理返済
・社会人のための給付金 教育訓練給付金・ハロートレーニング
複数を同時に申し込み、もらうこと(借りること)も可能です。
ご家庭の経済状況に合わせて利用することで、「お金の心配」が無くなります。
それでは「日本学生支援機構の奨学金」を詳しく見ていきたいと思います。
給付型・貸与型 2つの共通点と違い

日本学生支援機構の奨学金(国の奨学金)には、2種類あります。給付型と貸与型です。
・「事前予約採用」と「進学後在学採用」がある。
・「事前予約採用」は、高校在学時の「4月、5月、6月、7月」で申請。
➡「10月、11月、12月」で審査後に利用不可の決定。
➡「入学後の4月」で最終手続き。(進学先の大学・専門学校)
・「進学後在学採用」は進学した学校で申し込みます。流れは予約採用と一緒です。
・両方を同時に申し込むことも、どちらかだけを申し込むことも可能。
※両方採用されることもあります。(もらって、さらに借りるということ)
基本的には「高校教員がサポートしてくれる」であろう事前予約採用をおススメします。
進学後の在学採用ですと、すべて一人でやらなくてはなりません。大学や専門の学生課もサポートはしてくれるでしょうが、高校ほど手厚くはないと思ってください。情報もメールや掲示板のみです。
・2020年から施行
・返済する必要がありません。(もらえる奨学金)
・世帯の年収によって、第1区分~第3区分まであります。
・給付型の場合、さらに「授業料減免」が申し込めます。
・進学する学校が「修学支援制度」の対象校である場合に限る。
年収の条件はありますが、これにより学費の面で大学に行けないということがほぼ無くなりました。
・従来からある制度。(旧名:日本育英会)
・子ども(学生)が国からお金を借ります。「借金」です。
・世帯の年収によって、第1種(利息なし)と第2種(利息あり)に分けられます。
・事前に確認したり、決めたりすることがあります。
貸与型でも条件はありますが、高収入世帯でなければほぼ借りられます。
大学昼間部の学生のうち49.6%が借りています。(学生支援機構2020年 学生生活調査より)
日本学生支援機構の奨学金を借りる(もらう)場合は、まずこの2つの違いを押さえて、ご家庭がどちらに該当するのか(希望するのか)を把握することが大事です。
給付型の家計条件(応募条件)

給付型は、完全にもらいっぱなしで返済しなくてよい奨学金です。そのため応募条件(審査が通る条件)も厳しく(世帯収入は低く)設定されています。
以下がその目安となります。細かく計算してみたい方は「進学資金シミュレーター」でチェックしてみてください。※アプリもあるそうです。リンクはブラウザ(ネット上)版です。
4人家族の場合 | 支払金額 | 支払金額 | ||
区分 | 世帯収入(同居者全員の合計年収) | 月額 | 年間 | |
第1区分 | 271万円まで | 7万5.800円 | 約91万円 | もらえる |
第2区分 | 303万円まで | 5万600円 | 約60万円 | もらえる |
第3区分 | 378万円まで | 2万5.300円 | 約30万円 | もらえる |
おおよその目安にはなりますが、上記が収入の条件になります。当然ですが、世帯収入が低いほど手厚い支援を受けられることになります。
授業料減免制度
給付型奨学金の審査を通った方には、「授業料減免制度」も利用できることとなります。
いくら給付型と言えども、その合計は年間でMax約91万円でしたね。私立大学の年間の学費には全く届きません。
さらに日本学生支援機構の奨学金は入学後の5月以降に振り込まれます。つまり入学金や初年度頭にかかるお金は、ご家庭で用意しなければなりません。
しかし授業料減免制度を利用すれば【入学金+授業料】がもらえ、「実質授業料無償」となります。
※年間500万などかかる医学部などを除く。
授業料減免額 | 国公立 | 私立 | ||
入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約26万円 | 約70万円 |
短大 | 約17万円 | 約39万円 | 約25万円 | 約62万円 |
専門学校 | 約7万円 | 約17万円 | 約16万円 | 約59万円 |
ただし上記の「大学」の金額は、私立大学第1区分のものになります。私立大学の第2区分・第3区分は以下のようになります。
授業料減免額 | ||
区分 | 入学金 | 授業料 |
第1区分 | 約26万円 | 約70万円 |
第2区分 | 約17万円 | 約47万円 |
第3区分 | 約8万円 | 約3万円 |
今までのを全てまとめると以下のようになります。
修学支援支援金制度 = 給付型奨学金 + 授業料減免
※給付型なので、すべてもらえるものになります。
私立大学 | 利用できる家庭 | 給付型奨学金 | 授業料減免 | |||
自宅外通学 4人家族の場合 | 世帯年収 | 奨学金 (月額) | 奨学金 (年額) | 入学金 | 授業料 | 初年度合計 |
第1区分 | 271万円まで | 7万5.800円 | 約91万円 | 約26万円 | 約70万円 | 約187万円 |
第2区分 | 303万円まで | 5万600円 | 約60万円 | 約17万円 | 約47万円 | 約124万円 |
第3区分 | 378万円まで | 2万5.300円 | 約30万円 | 約8万円 | 約23万円 | 約61万円 |
貸与型の家計条件(応募条件)

貸与型奨学金は、いわゆる「借金」です。借金はもちろんしないに越したことはありません。しかし現代では様々な事情があるご家庭が多くあります。
また大学進学者の49%以上が借りている現状を考えれば、一般的になりつつあります。
そのような貸与型奨学金の条件は以下のようになります。
貸与奨学金 | 第1種 利息ゼロ | 第2種 利息ほぼなしに等しい |
世帯数 | 世帯給与所得 | 世帯給与所得 |
3人 | 657万円以内 | 1.009万円以内 |
4人 | 747万円以内 | 1.100万円以内 |
5人 | 922万円以内 | 1.300万円以内 |
貸与型奨学金で借りられる額
第1種 無利子 無利息 0%
第2種 有利子 利息変動 金利0.006%. 固定金利0.268%
入学時特別増額として「10万、20万、30万、40万、50万」から選択もできます。これは入学金に当てることができます。(選ばなくてもOK)
【第1種(無利子)】
大学
区分 | 自宅 | 自宅外 |
国公立 | 20.000円・30.000円・45.000円 | 20.000円・30.000円・40.000円・51.000円 |
私立 | 20.000円・30.000円・40.000円・54.000円 | 20.000円・30.000円・40.000円・50.000円・64.000円 |
短期大学・専門学校
区分 | 自宅 | 自宅外 |
国公立 | 20.000円・30.000円・45.000円 | 20.000円・30.000円・40.000円・51.000円 |
私立 | 20.000円・30.000円・40.000円・54.000円 | 20.000円・30.000円・40.000円・50.000円・64.000円 |
【第2種(有利子)】
大学・短期大学・専門学校
月額20.000円〜120.000円(10.000円刻み)
入学時特別増額
入学(留学)月の奨学金に、次の中から選択した額を増額します。(1回のみの貸与型)
なし・100.000円〜500.000円(100.000円刻み)
貸与型の注意事項(事前確認事項)

「借金」だという意識が必要です。自分で借りる額を決められますが、「必要以上に借りない」ことがとても重要です。
借りすぎてしまうと「返済時に苦労」します。
・事前に月々の必要学費を計算した上で、借りる額を決める。
利息を「固定式」にするのか「変動式(見直し)」にするのかを決めなければなりません。固定式ですと「0.268%」となります。変動式だと2022年1月現在で「0.006%」です。世界や日本の情勢にも左右されてしまいますが、基本的には低い金利の「変動式」をお勧めします。
・利息は「固定式」より「変動式」がおすすめ。
(金利は低ければ低いほうがいい。)
貸与奨学金には「保証制度」があります。「人的保証」か「機関保証」かを選ぶことができます。
基本的には、「保護者が連帯保証人」、おじやおばが保証人(別生計の65歳未満)となります。奨学生が返済を怠ると「連帯保証人」➡︎「保証人」の順に返済責任を負います。
予約時にはいれませんが、入学後の正式手続き時にはその人の「印鑑証明」が必要になります!
公益財団法人日本国際教育支援協会が保証します。保証人は要りませんが、毎月お金を払います。例えば、70,000円借りた場合、毎月そこから4,000円ひかれた66,000円が振り込まれます。
・お金がかからない「人的保証」がおすすめ。
返済方法を「定額」にするか「所得連動」にするかを選びます。
「所得連動」がおすすめ。
仕事をして給与をもらう際、一般的には年齢と共に給与も上がります。
「定額」ではなく、「所得連動」だと給与が上がるとともに、返済額も上がるので無理なく返済できます。
※「定額」だと、給与の低い時から結構な額を返済しなければならないので、職種によっては厳しいことも。。。
【学生支援機構の返済猶予制度】
返済困難になった場合、返還額を減らして変換期間を伸ばす、「減額返還」か一定期間返還を先送りする「返還期限猶予」を願い出ることもできます。
「減額返還」 年収 325万円以下 月の返還額を1/2・1/3にして返還換期間を伸ばす。
「返還期限猶予」 年収 300万円以下 月の返還を先延ばしにする。最長10年まで可能。
貸与型の場合は、奨学金が入学後の5月以降にしか入金されません。もし入学金や追加の授業料、一人暮らし費用なども借りたいのであれば、「貸与型 入学時特別増額」を申し込むか、「国のローン」(日本政策金融公庫)から借ります。
【入学金や授業料、一人暮らしのお金】(入学前のお金)
貸与型奨学金 + 入学時特別増額(10万円~50万円)
or
貸与型奨学金 + 国のローン(日本政策金融公庫)
※「国のローン」とは
保護者が国から借りる「教育ローン」です。入学金、授業料、定期代、教科書代、家賃など何にでも使えます。
借りられる人
子ども1人の場合 年収790万円まで
子ども2人の場合 年収890万円まで
子ども3人の場合 年収990万円まで
固定金利 年1.65%
詳細は、日本政策金融公庫の教育ローンコースセンターまで
電話|0570-008656
時間|月~金 9時~21時 土 9時~17時
奨学金のQ&A

Q 事前申請と在学申請の違いは何ですか?
事前申請は、
高校3年生の4月5月6月7月に申請し、秋ごろに承認を受けます。スケジュールは各高校により異なりますので、案内をよく聞いておきましょう。
進学先に合格すれば、進学した4月に正式手続きがあります。進学先での案内を聞き漏らさずに、自分で(本人で)手続きを完了させ、5月から奨学金が毎月振り込まれます。
在学申請は、
進学してからの申請になります。奨学金のもらえる条件が変わります。生計維持者のような扱いに進学者はなります。なので条件が緩和(もらえる世帯年収があがる)されます。
例|4人家族の場合、第1区分が271万円以下だったのが ➡ 295万円以下 になります。条件が緩和されていますね。
奨学金の支払いは、事前申請より2か月ほど遅い、7月頃からです。
Q 奨学金の種類には、どんなものがありますか?
【日本学生支援機構】の奨学金
給付型(もらえる)と貸与型(借りる・借金)があります。
【国のローン】
保護者が借りるものです。学生支援機構の奨学金は「給付型」以外は、それだけで全額費を賄うことはできないので、ローンと組み合わせる方が多いです。民間のローンより格安です。
【民間の奨学金】
優秀な社員を採用するために、高校の段階から、大学の授業料を出すものがあります。貯めておいて進学した際に、それで支払います。
学費援助と即戦力人材の採用が目的です。学生も選んでもらえると、その企業へ就職できる可能性が高いです。
Q 本人が借りるのと親が借りるの違いは何ですか?
本人が借りるのは、学生支援機構「貸与型」です。
〈第1種〉利息はゼロ
〈第2種〉低金利で借りられる。
親が借りるのは「国のローン」です。
民間のローンよりは安いのですが、学生支援機構の第2種よりも高い利息です。親がたくさん借りるよりは、学生支援機構の「貸与型」を最高額で借りて、親が返済の援助をした方が安くなります。
Q 利息は高いのですか?
日本学生支援機構の「給付型」はもらえるので、利息はないです。
「貸与型」は
〈第1種〉利息はゼロ
〈第2種〉低金利で借りられる。
親が借りる「国の教育ローン」は、民間より利息が安くなっていますが、「貸与型」の奨学金より6倍ほど高い利息です。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
日本学生支援機構の奨学金制度について、疑問は解決されましたか?
「お金の理由で進学できない」という人を少しでも減らして、日本の将来を支える若者の学びを支援していこうという目的で始まっているので、
審査基準も比較的緩くなっています。
「うちはお金が無いから私立は・・・」というのではなく、行けるための方策を調べる方が生産的でもあります。
ぜひお子様が行きたい進学先に行けるような、そんな支援をして頂けたら幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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