※この記事で分かること
・浪人をした方がいい理由
・浪人で得られる多くの力
受験を終えて、目標の大学に届かなかった場合、「受かったところへ行く」か「浪人」かの2択になりますね。
本気でいきたい大学があれば「浪人した方がいい」という選択もありますが、悩んでしまう人も。。。
こんな辛い勉強をもう一年なんて無理・・・
レベルを下げても受かったところでいいかな〜・・・
見事に「今、目の前のこと」しか見えてないですね。そう考えている時点でもう浪人を選んだ方がいいんですよ。私も浪人してよかったです。得ることがとても多くあります。
誰しも勉強は好きではない(好きな人もいます)ので、あと1年やろうとしたら大変ですよね。
ましてや一応受けようと思って受験した滑り止めが受かっているなら、そこでいいのでは?
と思うかもしれません。
浪人する、と覚悟を決めるのは想像を絶するくらい悩みます。メリット・デメリットもありますしね。
ある卒業生談です。
高3の卒業後3週間は、19年間生きてきた人生で一番辛かった時期です。毎日廃人のような生活を送りながら合格発表を待ち、進路について考えていた。
本校舎卒業生(2021年)の振り返りシートより一部引用
第一志望の〇〇大がどうしても諦めきれずなかったです。4次合格発表まで待っても合格は来ず。
5次合格発表も不合格。「やっぱりな」と思いながらも辛かったです。
一応滑り止めの〇〇大の入学金を払っていたが、受け入れられずに布団の中で泣き、払ってくれた祖母も泣きながら慰めてくれるという地獄の時間を何度もやった。
最終決定までに、何度も両方の大学へ行きイメージをしてみたが、やはり行きたい方の気持ちが高まってしまう。
諦めきれない気持ちと、1年間また頑張るという不安とでうじうじ・なよなよしてしまう。
あり得ないくらい悩み、最後は母から叱咤激励を受け、浪人するという覚悟を決められました。
ものすごく悩んでいたというのが、痛いほど分かる内容ですね。
やはり、「悩む」のであれば「浪人」をオススメします。
ネット上を見ても、「浪人は辛い」「浪人は成功しない」「浪人で成功するのは2割」などのように
エビデンス(根拠)のないことが並び立てられています。
そもそも、レベルを下げる=納得していない
未練がある=第一志望大学への思いが強い=人生の後悔になる(挑戦しなければ)
勉強が嫌=大人になっても嫌なまま
になってしまい、これではもったいなさすぎます。
目標のレベルに届いていない、勉強が嫌だから、と思っている人ほど
【浪人】をオススメします。浪人をした方がいいです。
〜〜〜〜結論(理由・メリット)〜〜〜〜
1.学びに対する意識が変わる。
2.就職・社会人で活かせる。(大学名・効率化力・分析力・忍耐力)
3.自分のことで悩める。(自己分析含む)
これらの結論について、具体例を交えながら「浪人のススメ」をお伝えしていきます。
※私自身浪人をしているので、実体験を交えてお伝えしています。また教員・塾関係の仕事をしている都合、毎年浪人生を出しています。そんな彼ら・彼女たちも見事志望校に合格しています。その振り返りのコメントなども参考にしています。
デメリットは?
もちろん浪人にもデメリットはあります。
最初にデメリットをいくつか挙げてしまいます。
これを上回るメリットがあるのですが、デメリットが大きすぎるなと感じた人は浪人をしない方がいいかもしれませんね。
予備校・塾に通うとなると親に金銭的な負担をかけてしまう。 |
サボろうと思えばいつでも簡単にさぼれてしまう環境。(簡単に途中離脱できる) |
思ったより1年は長くない。浪人しても実質8か月くらいしか本気の勉強はできない。 |
モチベーションの維持が難しい。(競争相手が身近にいなく比較できない。友人がキラキラ大学生に見える。) |
本気でやればやるほど現役時よりプレッシャーがかかり、精神的におかしくなりそうになる。 |
浪人しても必ず合格できるとは限らないなか、勉強していかなければならない。 |
大学入学が1年遅れるので、周りが後輩になる可能性大。(気にならなければ良い) |
なんとなく過ごすと何も成長できないままになる。 |
1年間遊べない。 |
いろいろな人に心配をかけてしまう。(心配・応援してくれている、の方が正しいです。) |
もちろんもっとありますが、代表的なものをピックアップしました。
物理的な苦しさよりも、精神的な苦しさの項目が多いですね。
意外と「(ずっと勉強で)眠れない」というのは、ありませんでした。
ただし、受験直前期に「プレッシャーで眠れない」は多数ありました。
以上のデメリットを超えてくるメリットをご紹介します。
メリットは?
結論でも述べたメリットを含め、多くの浪人生が「浪人をした方がよかった」と思えた項目を一覧にしました。
これらがデメリットより大きいなと感じれば。「浪人をした方がいい」となります。
勉強の楽しさを知れた。 |
気持ちの切り替え方が分かった。(自分のメリハリの付け方。) |
自分を分析できる。(なぜ失敗したのかを考えるから)(見通しが立つ・コツコツできる) |
1年間プラスで学んだことにより、大学生活を大切にしようと思える。 |
家族や周囲の人たちへ、より感謝するようになる。 |
現役より辛いことが多いため、自分が辛い時にどう乗り越えればいいのか、を何度も経験できる。対処法が分かる |
時間の使い方について、一層考えるようになる。時間を大事にする。 |
予備校・塾に行く場合、高校とは違った視点から違った話を色々聞ける。 |
現役の時あまり理解していなかったところや仕方なく飛ばしたところを、思う存分理解の時間に使えた。 |
生活リズムの管理ができるようになる。(特に睡眠の重要性が分かった。) |
学ぶ・勉強リズムの管理ができるようになる。(最適な学習方法を見つけられる。一生使えそうなこと) |
もちろんメリットはこれ以外にも多数あります。
多くの重なった回答をピックアップしました。
全体的に共通していることが、「自己管理」でした。
「自分に甘いな」と思ってい人ほど、「浪人をした方がいい」かもしれません。
3つの結論の説明
1.学び(勉強)に対する意識が変わる
イヤイヤ勉強していませんか?
やらされていませんか?
高校1•2年生なら、こうなってしまっても仕方がない部分もあります。
しかし
高校3年生や現浪人生がこれではダメです。
本気で浪人生をしていると、変わります。驚くくらい自分から学べるようになります。
羨ましいけど本当ですか??なんで自分から学べるようになるんですか?
成績を上げようとすると、自分の勉強方法や意識を見直して、本気で変えることが大事だと気が付くからです。
そうなのです。
浪人生たちは、周囲のアドバイスもありますが、結果的に自分で気が付いて自分で変えていきます。
今までの方法では同じ結果になることがわかってくるので、「今までの学びへの意識」も自ずと変わってきます。
結果、浪人をすると「学びへの意識が変わる」ということになります。
そして、多くの浪人生は「学ぶこと・知ること」が楽しいという状態になります。
知らない・理解できない➡︎解けない➡︎楽しくない
高校生の時の多くはこれですね。
しかし、浪人して2・3か月は基礎をコツコツ身につけます。(意識も変わっているので、できます)
すると不思議なことに、「なんとなくでも分かる」、「解ける」、「解説の理解ができる」というようになってきます。
出来るようになれば楽しくなるのが人間です。
ここまでくると、勉強への意識は完全に変わっています。
浪人生で真面目にやろうと決めた人は誰でもここまで来られます。
新しい知識に対する単純な好奇心がわく人も多いようです。
ある浪人生がこんなことを言っていました。
「今まではなんとなくで授業を受けていたが、浪人では成績を上げるために授業に前のめりの意識になった。すると知識を得ていくという実感が湧き、成長しているというように思えた。」
これは素晴らしいことですね。
このような変化がもたらされます。
2.浪人は就職・社会でこそ強い
なぜなら浪人生は、精神的な強さ・自己コントロール力を身に付けることができるからです。
それは、大学での研究や試験などで強さを発揮できます。
さらに、就職活動で不採用の時の気持ちの切り替えや社会人での行動力などでも役立てられます。
苦しい浪人生活を送った人ほど、その後の人生では余裕ができるのですね。
第一志望大学へ合格した浪人生のコメント
結局はやりしかない。結局試験は自分との戦いで、その時の自分が持っている力を最大限出せばいい。「やったるぞ!」という気合で本番試験に臨むことになる。
本校舎卒業生(2021年)の振り返りシートより一部引用
試験直前期になればなるほどメンタルがボロボロになるが、何日も本番の受験をしているうちに、「受かる・落ちる」を一度頭から離そうとなった。「ただただ大学に問題を解きに行くんだ」という風に思えた。(思い込もうとしていた)
そうなると、試験中の不安も薄くなり、「問題と私のタイマンじゃ!!」というテンションで試験にぶつかっていくことができた。
折れては立ち直り、折れては立ち直りを繰り返すうちに、だんだんと強くなっていく様子が浮かびますね。
この経験こそが、就活や社会人で働くときに心強い味方になってくれます。
3.自分のことでとことん悩める
自分のことを一生懸命に本気で悩んだことはありますか?
そんなに数は多くないと思います。
浪人生はそんな数少ない経験がしっかりできます。
例えば以下のような悩みを抱えますが、「➡」のような力が付きます。考え方が身に付きます。
- 模試ごとの結果にいちいちプレッシャーがかかる ➡ 自己分析が細かくできるようになる
- 周囲の大人の声がプレッシャーになった ➡ 耳を傾け情報の取捨選択ができるようになる
- 大学生がキラキラしているのを見ると落ち込む ➡ 自分もそうなりたいと想像力を高めた
- 二度目の受験で、もう二度と失敗できないと思うと追い込まれて辛かった
➡ 「結局はやるしかない」という「最後の境地に立つ」ことができるようになる
これを見ると分かるように浪人生は「マイナスからプラスへ変換する能力に優れた力」を身に付けられますね。
見れば分かるように、精神面が大半です。
どうしても前に進まなければいけないので、半強制的に結論を出し続けるしかありません。
しかし、成績のことや大学のこと・各教科や自分のことですぐに悩んでしまいます。
悩みが絶えなくなります。
自分のことで悩む ➡︎ 結論を出す の繰り返しですね。
自分の中がたくさんの答えで溢れるようになります。
これらを繰り返しているうちに、自分自身の分析を深く行っているのですね。自己理解につながっています。
最後に
浪人をした方がいいという理由について述べてきました。
身につけられる力も多くあります。
しかし、本気でやろうとすると軽々しく「浪人した方がいい」などとは言えないくらい厳しい現実が待っています。
それでも、第一志望校をあきらめてほしくありません。
自分自身に妥協して欲しくありません。
人生100年時代です。
たった1年は遠回りでもなんでもありません。
その1年間は、おそらく人生で最も勉強し・人生で最も自分について考えた1年になると思います。
今後の進路に悩んでしまっている人の参考なれば幸いです。
進路で人生を切り開いていきましょう!
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